2023年4月1日に施行された改正民法。不動産所有者に密接に関係する内容であるため、多くのアパートオーナーから注目を集めています。超高齢社会のなか、悩みの種となっていた「隣家から伸びる枝問題」についても触れられています。本記事では、山村法律事務所の山村暢彦弁護士が、そんな民法改正のポイントと対処法について解説します。
民法改正が“売れない不動産”解消のカギに
2023(令和5)年の民法改正は、相隣関係の規定の整備や、所有者不明土地の解消を目的に改正されました。
高齢化社会が進むにつれ、「境界を確定したいのに隣地の方が見つからない」であったり、「建て替えのために隣地に立ち入りたいが連絡がつかない」であったり、こうした事態が多発しています。このようなトラブルが増えると、不動産の活用が進まず、ひいては日本の国土がゴーストタウン化してしまう事態も考えられます。そのため、所有者不明土地問題の解決は、喫緊の課題といえるでしょう。
ここ数年の法改正の動きをみていると、「空き家対策特別措置法」の創設や、「事故物件ガイドライン」の策定など、“売れない不動産”を解消し、不動産の活用を進める法改正が進んでいるように思います。今回の民法改正もその流れに沿うものです。いままで処分や活用が難しかった不動産の活用が、改正により少しでも進んでくれることを願います。
山村法律事務所
弁護士
山村 暢彦
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弁護士法人 山村法律事務所
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実家の不動産・相続トラブルをきっかけに弁護士を志し、現在も不動産法務に注力する。日々業務に励む中で「法律トラブルは、悪くなっても気づかない」という想いが強くなり、昨今では、FMラジオ出演、セミナー講師等にも力を入れ、不動産・相続トラブルを減らすため、情報発信も積極的に行っている。
数年前より「不動産に強い」との評判から、「不動産相続」業務が急増している。税理士・司法書士等の他士業や不動産会社から、複雑な相続業務の依頼が多い。遺産分割調停・審判に加え、遺言書無効確認訴訟、遺産確認の訴え、財産使い込みの不当利得返還請求訴訟など、相続関連の特殊訴訟の対応件数も豊富。
相続開始直後や、事前の相続対策の相談も増えており、「できる限り揉めずに、早期に解決する」ことを信条とする。また、相続税に強い税理士、民事信託に強い司法書士、裁判所鑑定をこなす不動産鑑定士等の専門家とも連携し、弁護士の枠内だけにとどまらない解決策、予防策を提案できる。
クライアントからは「相談しやすい」「いい意味で、弁護士らしくない」とのコメントが多い。不動産・相続関連のトラブルについて、解決策を自分ごとのように提案できることが何よりの喜び。
現在は、弁護士法人化し、所属弁護士数が3名となり、事務所総数6名体制。不動産・建設・相続・事業承継と分野ごとに専門担当弁護士を育成し、より不動産・相続関連分野の特化型事務所へ。2020年4月の独立開業後、1年で法人化、2年で弁護士数3名へと、その成長速度から、関連士業へと向けた士業事務所経営セミナーなどの対応経験もあり。
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