「率」で比べれば、他社比較、期間比較が容易になる!
いきなりですが、次の質問に答えてみてください。
[図表1]のA社、B社、C社のうち、どの会社が今期一番、収益性が高いですか?
何かひっかけがあるのかなと疑う時間を含めても、5秒もあれば分かりますよね。答えはC社です。
では、[図表2]のD社、E社、F社では、どの会社が今期一番、収益性が高いですか?
これだと、一目では分からないのではないでしょうか。
[図表1]の場合は、3社とも売上高が同じなので、利益額だけで判断できます。しかし、現実には、[図表2]の場合のように「同じ売上高の会社を探すほうが難しい」。というより、まったく同じ売上高の会社を見つけられたら、それは奇跡です。
そこで登場するのが「利益率」です。算出方法は簡単です。
利益を売上高で割って100を掛ければ求められます。
売上総利益/売上高×100
[図表2]の場合なら、次のようになります。
このとおり、利益率を求めれば、D社の収益性が一番高いことが分かります。しかも利益額は、F社より120億円も少ない会社でした。
このように売上高に対して、売上総利益がどれくらいの割合を占めるかを比率で表したのが「売上高総利益率」です。
ただし、損益計算書には「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5つの「利益」があります([図表4])。
どの利益を使って分析するのでしょうか?
実は用途に応じて、すべての「利益」について「売上高利益率」を算定できます。
それぞれの「利益」に異なる意味があったように、それぞれの「利益率」から得られる情報も異なります。
計算は、売上総利益率なら「売上総利益」を「売上高」で割って100を掛ける、営業利益率なら「営業利益」を「売上高」で割って100を掛けるというように、分母の売上高は変わらず分子の利益を変えるだけです。
売上高に占める利益額の割合なので高ければ高いほど収益性が高いことが分かります。
では、各々の利益率の見方を紹介しましょう。
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