「売上総利益率」からは、商品やサービスの強さが分かる!
売上総利益は、「売上高」から「売上原価」を差し引くことで求められる利益です。
売上総利益率は、「売上高」に占める「売上総利益」の割合で、下記の算式により求めることができます。
売上総利益率=売上総利益/売上高×100
売上総利益率からは、会社の扱う商品やサービスの強さ、つまり「付加価値」の高さが分かります。売上総利益率が高いということは、付加価値が高い魅力のある商品やサービスを提供できていることを意味しています。
お客さまに必要な商品は高くても売れるからです。
また商品の販売価格は、「原価+利益」で成り立っています。売上総利益率とは逆に、「売上高」に占める「売上原価」の割合を「原価率」といい、下記の算式で求めることができます。
原価率=売上原価/売上高×100
原価率は低いほうが、利益は多くなります。原価率は、売上原価というコストの管理に役立てます。
一方、高い付加価値を与えることのできない商品は、大量生産によってコストを下げて安く大量に販売する、薄利多売の戦略で儲けていくことになります。
売上総利益率の水準は、業種や業態によって大きく差が出ますし、同じ業種でも扱うものによって異なります。
たとえば、製薬業の売上総利益率の平均値が44%であるのに対し、同じ製造業でも鉄鋼業の平均値は8%程度となっています。
売上総利益率および原価率の関係を、[図表5]に示します。
このとき、原価率が下がれば利益率は上がり、利益率が下がれば原価率は上がるという関係になります。
「営業利益率」からは、会社の本業で儲ける力が分かる!
営業利益率は、「売上高」に占める「営業利益」の割合です。
営業利益率=営業利益/売上高×100
営業利益は、本業でたたき出した利益です。売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて求めます。販売費及び一般管理費は、商品を売るために必要な費用です。営業利益は、会社の本業による利益、会社の本業の成績といえます。
つまり、営業利益率は、会社の本業で稼ぐ力を示す数値といえます。
営業利益率が高ければ高いほど、会社の経営が上手くいっていることが分かります。業種別の営業利益率の平均値は製造業で3.8%、小売業で2.8%です。同業種の平均値より高い数値が出せていれば、本業で稼ぐ力は十分あり、優秀な経営成績といえるでしょう。
営業利益の金額は、販売費及び一般管理費の金額の影響を強く受けます。販売費及び一般管理費を削ることができれば、営業利益を多くすることができます。
しかし、販売費及び一般管理費には「人件費」「広告宣伝費」「研究開発費」など、削ると悪影響を及ぼす可能性のある費用も多く含まれています。安易に削ると経営が上手くいかなくなることもあります。
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