「EVの時代は簡単には来ない」といえるワケ
■「トヨタ米販売 初の首位233万台」(指標ノート 2022年1月4日)
2020年7月1日には「テスラ22兆円 トヨタ抜き車トップ」とコメントしており、テスラとトヨタ自動車(7203)の時価総額が逆転したことがわかった。これと似たような感じで2022年1月4日の大発会当日に報じられたのが、2021年のアメリカにおけるトヨタの販売台数がGM(ゼネラル・モーターズ)を抜いて首位になったというニュースである。同日、トヨタ株は史上最高値を更新した。
トヨタが首位になった要因は、半導体不足で大幅な減産を強いられたGMや米フォード・モーターに比べて影響が限定的だったからだと伝わっている。だが、おそらくこれからもトヨタはアメリカで販売台数を続伸させることだろう。
その兆しを感じさせたのが2022年1月25日の「トヨタ22年度世界生産1,100万台」という見出しだ。実際に2022年の12月の日経新聞の記事では、「トヨタ、3年連続世界一へ 22年新車販売台数」の見出しをつけ、世界新車販売が3年連続で世界首位になる見通しであることが報じられた。
この世界生産1,100万台という数字は、自動車販売で世界一になることを意味している。トヨタは今のところ、ガソリン車、ハイブリッド車(HV)、燃料電池車(FCV)、EVなどフルラインナップでいくことを目指している。その世界一のトヨタの株価が、史上最高値を付けたということは、株式市場はその流れを認めていることになる。
とすると、全てEVになるというストーリーも柔軟性を持って考えた方がよいということになるだろう。
渡部 清二
複眼経済塾
代表取締役塾長
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