(※写真はイメージです/PIXTA)

「日経新聞の切り抜き」を25年間継続し、会社四季報を100冊読破した複眼経済塾の渡部清二代表は、有望銘柄には「中小型成長株、業績回復株、優良株、バリュー株、老舗株」という5つのタイプがあるといいます。今回はそのなかから「バリュー株」に焦点をあてて、株価が10倍(テンバガー)になる可能性を秘めた具体的な有望銘柄をみていきましょう。

株価が割安な「バリュー株」の見つけ方

企業が保有している自己資本、現金、不動産などの資産の価値と照らし合わせて株価が割安な株をバリュー株という。

 

割安度の指標とされているPBR(株価純資産倍率)が上場企業のなかで低い銘柄、あるいは全上場企業のPBRの平均を下回っている銘柄や、PBR1倍未満の銘柄をバリュー株と呼ぶこともある。

 

手持ち資産が十分あるのが特徴で、株価が資産に対して割安になっているため、景気が思わしくない状態に陥った場合でも、値下がりし続けるリスクが少ない。中小型成長株などと比較して、あまり成長は期待できないものの、安心して買える点が投資家に評価されている。

 

バリュー株は、電気・ガス・水道などのインフラ系、銀行・保険・証券などの金融系に多く、そのなかから銘柄を選ぶ際は、次の3つの条件のすべてに該当する株を見つけるようにする。

「バリュー株」を持つ企業の3つの条件

1.PBR(株価純資産倍率)が0.7倍以下

純資産とは、株主から調達した資本金、貯めてきた利益剰余金などを合計した資産のことを指し、PBRはこの純資産に対して株価がどの程度の水準にあるかを表している。

 

PBR1倍以下の株は純資産よりも株価が割安の水準、PBR1倍以上の株は純資産よりも株価が割高の水準ということになり、その倍率は次の計算式で求めることができる。

 

PBR(倍)=株価÷BPS(1株当たり純資産)

 

BPS(1株当たり純資産)は、期末の純資産額を期末の株式数で割った数値で、四季報のKブロックの下に「1株純資産」として表記されている。

 

株にはPBR1倍以上のものもあれば、PBR1倍以下のものもある。たとえば、PBRが1.2倍であれば、企業が保有している資産に対して株価は1.2倍になり、これとは逆に1倍を下回っているのがバリュー株で、資産に対して株価は割安になる。

 

しかし、割安か割高かを判断基準にすると、PBR1倍以下の株はすべて割安ということになるし、対象となる企業数が増えてしまうため、私はPBRが0.7倍以下の株に的を絞るようにしている。

 

2.自己資本率が70%以上

資本には、銀行などからの借入金(負債)も含まれる。そのため自己資本と負債を合計した総資産のうち、自己資本が占める割合(自己資本率)が高いかどうかが、バリュー株であるか否かの判断基準になる。

 

自己資本率が高いほど、赤字になった時の耐性が強いことから、一般的に経営状態は健全だとされていて、私は自己資本率70%以上を目安にしている。

 

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※本連載は、2023年2月25日刊行の渡部清二氏による著書『10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本連載は、証券投資の勧誘を目的としたものではありません。 最終的な投資決定は、ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本書、本連載を利用したことによるいかなる損害などについて、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

渡部 清二

KADOKAWA

いつも読んでいる記事・数値がお宝株のストーリーに変わる! 会社四季報を100冊読破し、日経新聞の切り抜きを25年間行い、指標ノートを9,000日以上記録し続けた投資のプロが贈る「三種の神器」の投資術! 1日5分、11項目の…

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