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ROEは投資家にとって「不十分な情報」

メディアやアナリスト、当局が強調するために、「ROEが高い株式に投資をするのがよい」と思われるかもしれません。しかし、前節でみたように、①投資家はROEで示される利回りで投資を回せるわけではなく、②たとえROEが高くてもPBRも高ければ、投資家は高いリターンを得られません。ROEは投資のための情報としては不十分です。

 

前節でみてきたように、大事なのは「ROEとPBRのバランス」、割り算で約分をすれば「1株利益と株価のバランス」であり、「投資家リターン」(=1株利益/株価)です。すなわち、最終的には「利益の成長性が高く、株価が割安な株式に投資をする」という基本に収れんします。

 

そして、[図表5]に示すとおり、過去10年のほとんどの期間において、日本株の投資家リターンは米国株を上回り、日本株は優れた投資家リターンを生み出してきました。

 

[図表5]日米株式の投資家リターンの実績値(当年度1株利益/前年度末株価)
[図表5]日米株式の投資家リターンの実績値(当年度1株利益/前年度末株価)

 

そして、[図表6]に示すとおり、現在(1年先の予想1株利益/現在の株価)も状況は同じです。

 

[図表6]日米株式の投資家リターンの期待値(12ヵ月先1株利益/株価)
[図表6]日米株式の投資家リターンの期待値(12ヵ月先1株利益/株価)

 

「ROEの低さ」なのか「人口減少」なのか、こうした情報を背景に「国内投資家の日本株離れ」が生じてきたとすれば、ほかの多くのことと同様、国内メディアの影響が大きいと筆者は感じます。

 

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重見 吉徳

フィデリティ・インスティテュート

首席研究員/マクロストラテジスト

 

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