(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』から転載したものです。※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

ROEは投資家にとって「不十分な情報」

メディアやアナリスト、当局が強調するために、「ROEが高い株式に投資をするのがよい」と思われるかもしれません。しかし、前節でみたように、①投資家はROEで示される利回りで投資を回せるわけではなく、②たとえROEが高くてもPBRも高ければ、投資家は高いリターンを得られません。ROEは投資のための情報としては不十分です。

 

前節でみてきたように、大事なのは「ROEとPBRのバランス」、割り算で約分をすれば「1株利益と株価のバランス」であり、「投資家リターン」(=1株利益/株価)です。すなわち、最終的には「利益の成長性が高く、株価が割安な株式に投資をする」という基本に収れんします。

 

そして、[図表5]に示すとおり、過去10年のほとんどの期間において、日本株の投資家リターンは米国株を上回り、日本株は優れた投資家リターンを生み出してきました。

 

[図表5]日米株式の投資家リターンの実績値(当年度1株利益/前年度末株価)
[図表5]日米株式の投資家リターンの実績値(当年度1株利益/前年度末株価)

 

そして、[図表6]に示すとおり、現在(1年先の予想1株利益/現在の株価)も状況は同じです。

 

[図表6]日米株式の投資家リターンの期待値(12ヵ月先1株利益/株価)
[図表6]日米株式の投資家リターンの期待値(12ヵ月先1株利益/株価)

 

「ROEの低さ」なのか「人口減少」なのか、こうした情報を背景に「国内投資家の日本株離れ」が生じてきたとすれば、ほかの多くのことと同様、国内メディアの影響が大きいと筆者は感じます。

 

<<<レポート全文はコチラ>>>

 

 

重見 吉徳

フィデリティ・インスティテュート

首席研究員/マクロストラテジスト

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

【ご注意】
•当資料は、情報提供を目的としたものであり、ファンドの推奨(有価証券の勧誘)を目的としたものではありません。
•当資料は、信頼できる情報をもとにフィデリティ投信が作成しておりますが、その正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。
•当資料に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。また、いずれも将来の傾向、数値、運用成果等を保証もしくは示唆するものではありません。
•当資料にかかわる一切の権利は引用部分を除き作成者に属し、いかなる目的であれ当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録