(※写真はイメージです/PIXTA)

多様で自由な働き方を推奨する時代背景から、「複業」という働き方へ注目が集まっています。複業をはじめる理由として一番多いのは、家や車など欲しいものを買うため、将来に備えて貯金をするためなど副収入を望むケースですが、複業は誰でも成功できるわけではなく、はじめ方を間違えれば本業に支障が出るリスクもあります。はじめる前にどんな準備をするべきなのか? 大林尚朝氏の著書『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、見ていきましょう。

①Aさんの事例

■いずれマイカーを購入したいが、現状の本業収入では難しい…

Aさんは都内のIT企業で営業職に従事しています。営業成績は悪くないものの、会社の人事評価制度上、昇給の幅が少なく、昇給のタイミングの度に不満を感じています。しかし、働く環境や取り扱う商材が好きなため転職はしたくないと考えています。

 

Aさんの夢は憧れの車を購入することです。マイカーの購入のためには今の収入では心もとなく、大幅な昇給が見込めない今の会社では貯金を増やすことがかなり難しいと感じています。Aさんの家賃は10万円で、生活費や交際費など生活レベルは維持したいと考えています。

 

Aさんの勤務先はリモートワークが解禁になりました。Aさんは現在も週に3日、リモートワークを続けています。そのため、毎日往復2時間かけて通勤していた時間が浮くようになり、複業にも興味を持っていた中で、勤務先が複業を許可することになりました。

 

Aさんは複業をはじめようと思い立ち、目的と目標を設定しました。

 

複業の目的は「夢のマイカー購入のために本業と複業での合算年収を最大化する」です。目標は「マイカー購入資金のために1年以内に120万円を複業で収益化する」に設定し、具体的なプランを計画しました。目標を達成するためには副収入が月10万円必要でした。一方で、本業も忙しく、責任感が強いAさんは1社から多くの金額を受け取ることがプレッシャーになると自己分析の上判断し、月5万円の複業を2社で行いたいと考えました。

 

まずAさんは知り合いの経営者に連絡し、営業で困っていることや人手が足りていない部分はないかを聞きながら自分が貢献できることを伝え、無事にまずは1社で、月5万円の複業がスタートしました。知り合いの経営者も月5万円で実際の営業現場での経験が豊富なAさんに手伝ってもらえることは渡りに船で大変喜んでいました。1ヵ月後にその経営者からの紹介で同じ課題を持つ経営者と知り合い、2社目の複業を無事にはじめることができました。

 

出所:大林尚朝著『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)
[図表1]Aさんの事例(IT企業に勤務する営業職の男性) 出所:大林尚朝著『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)
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※本連載は、大林尚朝氏の著書『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

スキルマッチング型複業(副業)の実践書

スキルマッチング型複業(副業)の実践書

大林 尚朝

日本能率協会マネジメントセンター

1,000社・50,000名以上の複業を支えるプラットフォーム経営者が書き上げたスキルマッチング型複業の実践書! 「複業」とは、「複数の企業や行政などで、スキルを活かして働く」あるいは「新しいスキルを、そのスキルを求め…

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