③Cさんの事例
■父親のように、自分もいつか起業したい
Cさんは都内の人材派遣会社で管理職として勤務をしています。営業時代は社内でも圧倒的な成果を出し、その成果が評価され管理職に抜擢されたことで日々充実した生活を送っていました。
父親が経営者で、社会人になった頃から会社経営に強い憧れがあり、自分もいつか起業をしたいという漠然とした想いを募らせていました。
またCさんは、長年の人材派遣事業の営業経験や管理職としてのマネジメント経験など、自分の実績に絶対的な自信を持っていました。
クライアント企業の経営・人事課題をヒアリングし、人材紹介をすることで企業が成長していく様子を数多く見ていく中で、採用コンサルティングを生業とした会社を起業することが自分には向いているのではないかと思うようになりました。
行動力のあるCさんは早速起業のやり方を調べ、起業資金と初期の事業運営費用を貯めるために複業をはじめようと考え、複業の目的を「法人設立の資金獲得」に設定しました。目標は「1年後の法人設立に向け、資本金100万円、軌道に乗るまでの事業運営費用100万円の合計200万円を得る」に設定しました。
しかし、勤務先の就業規定を熟読してみると、複業を禁止されてはいないものの、自社のクライアントから利益を得ること(利益相反になる行為)は禁止されていました。Cさんは勤務先にはどんなことがあっても迷惑はかけられないと思い、自社のクライアントに声をかけることがないよう、細心の注意を払いながら複業をはじめることに決めました。
Cさんは人材紹介を主業務としていたため、採用コンサルティングを業務として行っていたわけではありませんでした。そこで、まずはCさんが本業で人材紹介をする中で、自ら考え、調べ、工夫しながら生み出してきた独自の採用ノウハウを記事として配信し、本当に需要があるのか否かを検証することにしました。
CさんのSNSでも発信することで徐々にコンテンツ自体も閲覧されるようになり、自信をつけたCさんは、自分が設定した時給単価でスポット的に採用相談を受けようと考え、複業マッチングプラットフォームに登録しました。
Cさんは経営や採用のアドバイスを相談したい企業から、オンライン形式、1時間5万円で相談を受けるという仕組みでマネタイズに成功していきました。晴れて起業した後も複業ではじめたオンライン相談は続けており、複業が起業の滑走路として大いに役立ちました。