【いま注目の働き方】ベンチャー企業、地方中小企業、地方自治体で「非常に高い採用ニーズ」…「マーケティング職」の“複業”

【いま注目の働き方】ベンチャー企業、地方中小企業、地方自治体で「非常に高い採用ニーズ」…「マーケティング職」の“複業”
(※写真はイメージです/PIXTA)

多様で自由な働き方を推奨する時代背景から、「複業」という働き方へ注目が集まっています。複業で得られるのは金銭報酬に限りません。スキルやキャリアなどの非金銭報酬も得ることができ、自分の人材価値を向上させることにも役立ちます。大林尚朝氏の著書『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、複業で挑戦できる職種の一つとして「マーケティング職」を紹介します。

マーケティング職の複業は「商材」や「手法」がカギ

マーケティング職は、誰を対象にマーケティングを行うのか、その中でもそれぞれ広告運用(マス広告、広告、SNS)やSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)などのコンテンツマーケティング、記事作成などのライティングまで幅広い仕事があることが特徴です。

 

マーケティング職の場合は、どのような商材(ターゲット層、商材単価、特徴全般)をどのような手法(マス広告、広告、SNS)で、どれくらいの予算でマーケティングしたかを徹底的に具体化することでスキルをハッシュタグ化し、企業に再現性をアピールすることが重要です。

 

出所:大林尚朝著『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)
【図表】スキルのハッシュタグ例~マーケティング職~ 出所:大林尚朝著『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)

広告運用の複業とは?

マーケティング職の複業として、企業の商材やWEBサービスのユーザー獲得、売り上げ拡大を目的とした広告運用が挙げられます。すでに複業先が運用をしている広告の効果を高めるために数字を分析してレポートを出したり、実際に運用を代行し広告効果を最大化したりするなどの複業が一般的です。

 

専門的かつ具体的になりますが、例えば、リスティング広告などの広告出稿におけるクリック単価を下げたり、ランディングページからコンバージョンまでのコンバージョン率を上げたり、SNS広告でのバナーを複業先のデザイナーと連携しながらリニューアルして出稿したりする、など自身の専門的なスキルや経験を活かした複業が可能です。

 

また、広告などを出したことがない企業に対して、予算を経営者と先に決め、どの広告媒体にどれくらいの予算を投下し、どれくらいの売り上げにつなげるのか、あるいはそもそも広告を出さずSNSなどお金のかからないマーケティング手法を提案・運用する、などマーケティング戦略から戦術の策定といった上流の仕事に複業で携わることも可能です。

SNS運用やSEO対策の複業とは?

SNS運用に手が回っていない企業では、TwitterやInstagramなどの投稿やアカウント運用マニュアルを作成するなどの複業を募集するケースもあります。

 

SEOにおけるメディア運用のディレクションや実際にメディアの記事を作成するような複業も増えています。SNSなどが普及し、マーケティング手法も多様化していく中で、企業におけるマーケティング人材の需要も年々高まっているのです。

 

特に、マーケティングに予算を多く割くことができないベンチャー企業や地方中小企業、そして、最先端のマーケティングノウハウや民間では当たり前に使われるマーケティング手法などを導入できていない地方自治体などに、非常に高い採用ニーズが発生しています。

マーケティング職の複業の働き方

マーケティング戦略の場合の報酬は月額固定での報酬を受け取ることが一般的です。広告運用の場合も月額固定の報酬が多いですが、なかには運用予算のX%といった報酬形態をとる企業もあります。基本的には、培ってきた経験やノウハウなどを時給という時間単位で切り出すことは現実的ではない(ノウハウがある人であれば、ノウハウがない人よりも短い時間で答えを導き出すことができるから)ため、複業をする場合の金銭報酬においては、月額固定の形態で契約することをオススメします。

 

働き方に関しては、基本的には場所を選ばないオンライン上での作業やチャット・メールでやり取りすることが一般的であるため、全国どこからでも参画できます。

複業で「再現性あるマーケティングスキル」を目指す

マーケティング職は自分の仕事の成果が獲得ユーザー数や売り上げ、フォロワー数など数字で明確に分かることが特徴であるため、本業とは別に複業で自身のマーケティング実績をつくりたい人には非常にオススメです。

 

例えば、本業で消費者向け(toC)マーケティングに携わる人は、市場価値を高めるためのスキル・経験報酬を目的に、法人向け(toB)マーケティングに複業で挑戦してみてもよいでしょう。本業では広告の運用を担当していれば、マーケティングの全体戦略から設計することができる複業に挑戦してスキルの幅を広げてみてもよいでしょう。

 

マーケティング未経験の場合はSNS運用など身近に使っているサービスをビジネスとして運用してみることも可能です。SNSなど一見「正社員が担当しそうなこと」でも、猫の手でも借りたい人手とノウハウ不足の企業や自治体にとっては「複業人材の手を借りたいこと」になるのです。

 

 

大林 尚朝

複業エバンジェリスト

株式会社Another works 代表取締役

 

1992年生まれ、大分県出身。早稲田大学法学部卒業。

2015年、パソナグループ入社。顧問やフリーランスなど業務委託人材紹介の新規事業に従事。年間最優秀賞など多数受賞。2018年、株式会社ビズリーチ(現.ビジョナル株式会社)入社。M&Aプラットフォームの事業立ち上げを行う。

2019年、株式会社Another works創業。複業したい個人と企業や自治体を繋ぐ、成功報酬無料の総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を開発・運営。創業4年で累計1,000社以上が導入、50,000名以上が登録、70自治体以上と複業での地域活性に係る連携協定を締結、テレビや新聞など400件以上の掲載実績を誇る。

複業、経営・組織戦略、キャリア構築、地域活性をテーマに発信し、行政や教育機関をはじめ100件以上に登壇、「日本経済新聞」など多数のメディアでも取り上げられている。

 

※本連載は、大林尚朝氏の著書『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

スキルマッチング型複業(副業)の実践書

スキルマッチング型複業(副業)の実践書

大林 尚朝

日本能率協会マネジメントセンター

1,000社・50,000名以上の複業を支えるプラットフォーム経営者が書き上げたスキルマッチング型複業の実践書! 「複業」とは、「複数の企業や行政などで、スキルを活かして働く」あるいは「新しいスキルを、そのスキルを求め…

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