「LTV」が注目されるようになった背景
LTVはもともとマーケティング業界で使われていた指標でしたが、最近ではビジネス全般で重視されるようになりました。その背景には、市場の飽和によって新規顧客の獲得が難しくなってきた現状が挙げられます。
成長が見込まれる市場であれば、魅力的な商品と効果的なプロモーションで新規顧客の獲得を実現することができます。しかし、新規需要を開拓することが難しい成熟市場、あるいは競争相手の多い市場においては、顧客の定着化を図ることが必須となります。LTVはいかに顧客が定着しているかを把握できる指標であり、重要度が高まりつつあります。
LTV(顧客生涯価値)とは?
LTVとは、「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の頭文字を使って表現したもので、一般的には「顧客生涯価値」と訳されます。顧客1人あるいは1社の顧客ライフサイクル全期間で、その顧客が企業にもたらした価値の総計のことを指します。「Customer Lifetime Value(カスタマーライフタイムバリュー)」を略したCLVと表現されることもありますが、意味合いとしては同じものです。
「生涯」とはいつからいつまで?
「生涯」という言葉が入っていますが、もちろんこれは「顧客が生まれてから亡くなるまでのあいだ」という意味ではなく、その企業との取引が行われている期間のことを指すものです。
価値とは?
「価値」という言葉も曖昧でイメージしにくいものですが、端的にいうと、「その企業にどれだけの利益をもたらしてくれるのかを算出した数値」ということです。
LTVが増加傾向にある=顧客満足度が高い状態
よく、「価値=お客様の満足度」と勘違いして、お客様アンケートを取っている会社もあるのですが、それはあくまでも感情に由来するもので、必ずしも経営にプラスになるわけではありませんから、注意が必要です。この場合の「価値」とは具体的な数字(金額)として導き出されるものとなります。
つまり、LTVというのは「ある顧客が企業と取引を開始してから、取引が終了するまでの期間に、どれだけの利益をもたらしてくれるのかを表す指標」ということができます。ですから、LTVが高い、あるいは増加傾向にあるということは、お客様が自社のサービスや商品に満足をしてくれているという、具体的な証拠になるわけです。
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