前回は、フィリピン不動産の保有時にかかる「経費と維持費」について説明しました。今回は、フィリピン不動産の購入における「支払いスケジュール」の組み方について見ていきます。
支払い方法は契約時に決めなくてもいい!?
フィリピンでローンを借りる交渉を始めるのは、完成の1年程度前からです。そして竣工時に契約、決済へ進みます。
支払いパターンとしては、以前説明した4つの買い方がありますので、まず予約金を払って契約し、物件の権利書を手に入れる必要があります。ただフィリピンの面白いところなのですが、支払い方法を決める時期は、契約時でなくてもよいのです。
具体的にローンを組むのは竣工の3カ月程度前です。そのため竣工まではデベロッパーにお金を払っていき、そこに銀行は登場しません。逆に言えば、それがプレビルドでトラブルが起こりやすい原因でもあります。
余裕をもって資金繰りを考えられる「3年間の猶予」
プレビルドで契約して、残金はローンを使う予定でずっとデベロッパーにお金を払っていたのに、竣工前になってローンが組めないと言われたケースもあります。また、プレビルドの場合は竣工するまでに3年間の猶予があるので、その間にキャッシュをつくってしまえば、払い込み計画を変えることもできます。
完成時20%だけ振り込む予定を、「お金ができたから……」と現金で払うと変更することもできます。まず一番手出しが少ない金額でスケジュールを組み、そこから上げていくのはまったく問題ありません。
キャッシュで一括払いでも、もちろん問題ありません。しかし安全を考えれば、とりあえず最低限を支払い、3年の猶予の中で日本の金融機関に融資の相談をしたり、国内に不動産を持っているならそれを現金化したりするなど、余裕をもって資金繰りを考えるのが無難でしょう。
これは契約時に支払い方法もすべて決断しないといけない日本と異なった、フィリピン不動産投資ならではの魅力と言えます。
GSR株式会社 会長
zukky PTE CEO
Gate of Assets Fundation director
一般社団法人フィリピンアセットコンサルティング 主席コンサルタント
1979年、愛知県生まれ。大原簿記専門学校卒業後、アパレル会社での勤務をへて、2000年、同業種で独立。同年自社ブランドを立ち上げ、卸、直営店舗を展開。その後、海外生産拠点を背景にOEM事業を開始。2005年にフィリピンに行き、1人のタクシードライバーに人生の生き方を考えさせられ、同地にて為替&アテンドビジネスをはじめ、もともとの事業を売却。その後、2007年にコンサル会社、2009年にPR会社を設立。2010年にフィリピンでオフショアのシステム会社が開発するフィリピン最大規模のITプラットフォーム事業へ投資。ハンズオンでビジネスの拡大の活動を続け数十の新規事業の立ち上げに貢献。2006年より子供たちの支援なども積極的に行いその功績により2022年にフランスの社会文化奨励勲章を受勲。
2014年にHallohallo Home incの事業構築サポートを行う中で、不動産売買仲介、管理、リーシング、内装、建築、ストリートチルドレン復学プログラム、人材派遣等、日本とフィリピンの双方にメリットのある事業が重要だと痛感する。フィリピン人や現地の弁護士、税理士、色々な人材に騙された事で自身で学びフィリピンでの成功パターンを習得したのだが、唯一不明だった現地の経済を動かす巨大財閥との付き合いにより、ほとんどの日本人の資産保全の思考が間違っていることに気が付く。2019年以降はシンガポールとフィリピン、アメリカ、イスラエル、フランスを中心に富裕層を対象にしたビジネスを構築。
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連載「フィリピン不動産投資」が資産形成に最適な5つの理由
ハロハロホーム マニラ本社
Director
ハロハロホームは、フィリピンのメトロマニラ首都圏のビジネス中心地マカティ市に本社を構え、フィリピン不動産投資や、フィリピンの土地販売を手がける企業。賃貸仲介サイトの運営、不動産管理、メンテナンス、内装、転売のサポートなど、購入・管理・売却まですべて対応できる強みを持つ。
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