前回は、フィリピン現地銀行の「融資システム」の具体的な内容ついて説明しました。今回は、フィリピン不動産の代金支払いスケジュールの詳細について見ていきます。

「支払いパターン」4種類の特徴とは?

フィリピン不動産を購入するにあたり、支払いスケジュールのパターンを知っておきましょう。大きくは現金一括、分割払いです。分割払いの中にローンを使うパターンと使わないパターンがあります。分割にも種類があるため、支払いパターンは、4種類になります。それぞれの特徴を紹介します。

 

 

(1)現金一括
この場合の決済通貨はドルまたはペソで、円は使えません。基本的にペソでの決済が多くなっています。現金一括で買うメリットは割引が受けられることです。デベロッパーによりますが一括現金払いの場合は、10%以上の割引が受けられます。最近は12%、最高で15%程度の割引です。

 

(2)分割払い(現金)
頭金10〜50%で物件の権利を押さえて、竣工まで小切手(分割)で払います。

 

(3)分割払い(ローン)
竣工時までに物件価格の25%〜など自分で決めた額を払い、残金を現地の銀行もしくは現地日本支店の銀行の住宅ローン。そのローンを日本と現地、両方で組むケースもあります。注意点としては、ほとんどの銀行が物件価格の25%を支払っていないとローンが組めません。

 

(4)分割払い(上記(3)以外)
デベロッパーの決めたパーセンテージで、3回に分割して払います。デペロッパーにより、支払額のパーセンテージが異なります。グランド・ハイアットでは、予約金10%、頭金16%、残金74%でした。デベロッパーによっては、4半期に1回25%ずつ払うパターンもあります。すると4年で完済になるので、建ち上がった時点で支払い済みになるパターンもあります。

分割払いは一見「無利子」で利用できるが・・・

分割払いの方法が変わるケースもあります。そのため、日本人投資家からすると、システム自体が複雑で理解しにくいのです。割引もそれにより変わります。私たち仲介業者からしても、事務の手間が膨大となり、初めて知ったときは「こんなに細かいことをするのか」と驚きました。

 

あるローカルに強い会社では、頭金が30%からとなっていますが、その30%さえも分割する方法はあるという話でした。

 

「なぜ、こんなに細かく分割するのか」と疑問に思うかもしれませんが、そもそも低価格コンドミニアムは、出稼ぎ労働者向けにつくられたものなので、いかにして月々の負担を軽くするかを前提に考えられているのです。

 

なお分割払いの場合は、月々の支払いは無利子です。ただし無利子といっても、実は一括払いに関しては10~15%割引になっているため、逆に言えば分割の人は、その15%分を利子として払っているのと同じことなのです。

 

 

具体的な支払い方法ですが、ご自身の口座に現金を入れて、小切手で払います。これは私たちの会社の通常の買い方ですが、頭金、竣工時の支払いを終えた後、残金を精算するタイミングでローンを組みます。

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

鈴木 廣政・渡辺 頼子

幻冬舎メディアコンサルティング

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