前回は、フィリピン不動産の購入時・所有時にかかる税金について説明しました。今回は、フィリピン不動産の保有時にかかる「経費と維持費」について見ていきます。

デベロッパーの管理事務所が修繕等の窓口に

コンドミニアムは日本でいう分譲マンション(区分所有マンション)と同じです。日本では管理費、修繕積立費という月々の支払いがありますが、フィリピンでも同様の管理費があります。

 

 

日本でいう管理組合が、フィリピンではデベロッパーの管理事務所です。コンドミニアムごとに管理事務所があります。この管理事務所では、光熱費の支払いをしたり、部屋の修繕を依頼できたりと、ホテルのフロントサービスのような役割を果たします。

 

部屋の修繕についても、オーナーが用意した家具家電に修理が必要なときを除いて、入居者と管理事務所が直接やりとりするため、オーナーの手を煩わせることはありません。そもそも入居者の権利が強すぎる日本と比べて、フィリピンの賃貸は非常にクリアです。

 

原状回復にしても、経年劣化による損傷はオーナー負担、故意の場合は入居者・テナントといった具合に日本より明確で、白黒はっきりしています。賃借契約書によっては、5000ペソ以下はテナント負担、5000ペソ以上はオーナー負担と記載されています。

 

管理費は今のところ、一般物件だと1平米あたり約280円です。高級物件になると1平米あたり約520円になります。これはデベロッパーの管理事務所に振り込みます。もちろん、日本から送金することも可能です。修繕積立費については、日本のように別建てではなくて、管理費に含まれています。

フィリピンでは「管理会社」が少ないのが実情だが…

ただ私たちが知らないだけで、既に修繕積立費を取っている物件もあるのかもしれませんし、今後出てくる可能性もあります。必ず、物件ごとに調べましょう。日本でも、建物の管理費とは別に、賃貸物件として賃貸管理会社へ委託して、月々の管理委託費を支払います。日本では家賃の5%が目安になっていますが、フィリピンでは、管理会社によって変わります。

 

そもそもフィリピンには管理会社が少なく、システムが成り立っていません。ただ、私たちの会社では、これから集金管理や一時的なクレームの対応等など管理のサービスをスタートさせていきます。

 

日本の管理委託では、集金業務、クレーム対応、入退去の立ち会い、原状回復、建物維持管理、共有部定期清掃といった内容になりますが、フィリピンの不動産投資では、パッケージにする必要があると考えています。

 

また、空室があっても管理は継続しなければいけません。海外送金のコストの問題もありますので、現在、料金体制や支払い方法を含め、簡単かつ明瞭な仕組みを構築中です。

 

■月々の支払い

・コンドミニアムの管理費(デペロッパーの管理事務所)

・空室時の電気・水道代(日本と同じく空室なら止めておくことも可能)

・賃貸の管理委託費

 

 

【図表】 税金・諸費用・維持費などの一覧表

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

鈴木 廣政・渡辺 頼子

幻冬舎メディアコンサルティング

止まらない人口減少、オリンピック相場の反落、不動産市場の縮小――国内不動産暴落のXデーは、刻一刻と近付いています。 これを裏付けるように、事実、家賃下落や空室率上昇などの問題は年々深刻化しているのです。 そん…

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