前回は、フィリピン不動産の購入における「支払いスケジュール」の組み方を説明しました。今回は、フィリピンの金融機関の融資審査でチェックされるポイントについて見ていきます。
情勢次第で融資基準が変わるフィリピンの金融機関
フィリピンの銀行の融資条件は、日本の銀行に比べて厳しいものではありません。しかし、基準が安定していません。
これは日本でも同様ですが、そのときの情勢次第で融資基準が変わります。最近の例でいうと、APEC(エイペック)が開かれるというだけで、口座が開きにくくなったという状況もありました。フィリピンの金融機関はしっかりしているというアピールなのでしょう。
また口座開設の書類も、今までは物件を購入した方に関しては国際免許証とパスポートだけでよかったのですが、ここ数カ月で急に厳しくなり、必要とされる書類が増えてきました。
特に名目……つまり、なぜ口座を開きたいのかという理由の説明をデベロッパーから書面を求められたり、日本国内の銀行からの手紙が必要になったりする可能性も出てきました。他行も今後、より厳しい方向に変更される可能性が高いので、口座をつくるなら早めに準備されたほうがよいでしょう。
融資の期間は10年と短く、金利も高い
物件によって提出書類は様々ですので、その都度きちんと調べる必要があります。後は、購入者に犯罪歴がないか、本当に日本に住所があるのか、納税をしているかなどの確認です。
他は「クレジットカードの履歴3カ月分」「銀行残高の証明書」を求められる可能性があるくらいです。現在、1000万円以下の物件では、ほとんどチェックがありません。日本で借りることを思えばとてもハードルが低いと言えます。
その代わり融資の期間は10 年と短く、金利は6%と高くなっています。また、1戸目を持つと、フィリピンでのインカムがあるというのが強固な裏付けになって、その後は金融機関から信頼を受けやすくなります。
GSR株式会社 会長
zukky PTE CEO
Gate of Assets Fundation director
一般社団法人フィリピンアセットコンサルティング 主席コンサルタント
1979年、愛知県生まれ。大原簿記専門学校卒業後、アパレル会社での勤務をへて、2000年、同業種で独立。同年自社ブランドを立ち上げ、卸、直営店舗を展開。その後、海外生産拠点を背景にOEM事業を開始。2005年にフィリピンに行き、1人のタクシードライバーに人生の生き方を考えさせられ、同地にて為替&アテンドビジネスをはじめ、もともとの事業を売却。その後、2007年にコンサル会社、2009年にPR会社を設立。2010年にフィリピンでオフショアのシステム会社が開発するフィリピン最大規模のITプラットフォーム事業へ投資。ハンズオンでビジネスの拡大の活動を続け数十の新規事業の立ち上げに貢献。2006年より子供たちの支援なども積極的に行いその功績により2022年にフランスの社会文化奨励勲章を受勲。
2014年にHallohallo Home incの事業構築サポートを行う中で、不動産売買仲介、管理、リーシング、内装、建築、ストリートチルドレン復学プログラム、人材派遣等、日本とフィリピンの双方にメリットのある事業が重要だと痛感する。フィリピン人や現地の弁護士、税理士、色々な人材に騙された事で自身で学びフィリピンでの成功パターンを習得したのだが、唯一不明だった現地の経済を動かす巨大財閥との付き合いにより、ほとんどの日本人の資産保全の思考が間違っていることに気が付く。2019年以降はシンガポールとフィリピン、アメリカ、イスラエル、フランスを中心に富裕層を対象にしたビジネスを構築。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載「フィリピン不動産投資」が資産形成に最適な5つの理由
ハロハロホーム マニラ本社
Director
ハロハロホームは、フィリピンのメトロマニラ首都圏のビジネス中心地マカティ市に本社を構え、フィリピン不動産投資や、フィリピンの土地販売を手がける企業。賃貸仲介サイトの運営、不動産管理、メンテナンス、内装、転売のサポートなど、購入・管理・売却まですべて対応できる強みを持つ。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載「フィリピン不動産投資」が資産形成に最適な5つの理由