前回は、フィリピン不動産の購入に必要な「諸費用」について説明しました。今回は、フィリピン不動産の購入時・所有時にかかる税金について見ていきます。
「プレビルド物件」の購入ではかからない税金もある!?
購入時にかかる税金は、日本の場合とさほど違いはありません。中古もしくは完成後の転売、名義変更の税金関係はキャピタルゲイン税が6.5%(売り手側)、印紙税1.5%(買い手側)です。その他にアザーチャージ(営業外費用)がかかります。
まだ建物が完成していないプレビルド物件に関しては、これらの各種税金が省略されて、名義変更の代金だけで済む場合もあります。たとえばグランド・ハイアットなどを売っている不動産会社は、前払い時に名義変更の手数料だけで済みます。ただし登記するときには、印紙税などが必要となります。
フィリピンで最も影響力の強い財閥と呼ばれているアヤラグループの物件「アヤラ・ランド」は、前払い時に正規の各種税金がすべて発生します。日本では購入時にすべての名義が書き換えられ、所有権移転の手続きを踏みますが、フィリピンでは物件が完成した後に登記手続きがなされます。このようにデベロッパーごとにやり方が違うのできちんと精通している業者を選ぶことをお勧めします。
■取得時の税金
・印紙税(ドキュメンタリー・タックス=DOC Tax)1.5%
・不動産取得税(インカムゲイン(運用益)タックス)6%
・固定資産税(原則毎年かかるが、デベロッパーによっては竣工後2年間免除)
・消費税(VAT)12%
家賃収入にも税金がかかるが・・・
次に物件所有時にかかる税金について説明します。フィリピン独特のものもあるため理解しておきましょう。
フィリピンの固定資産税は、国が年に一度発表する物件の評価額によります。それを月割りで精算するのですが、一括で支払うと、割引があります。これらは登記後に支払います。年によって異なりますが、2016年は1年分支払うことで1カ月分の税金が無料になります。
家賃収入には税金がかかります。日本人が海外に不動産を所有している場合の税金は、日本でも支払う義務があります。ただし、日本国へ住所がない方(非居住者)に関しては支払う義務がありません。
また、フィリピン国内で税金を支払った場合は、外国税額控除が適用されます。なお法人が借り主となった場合は、領収書の発行を要求される可能性が高く、フィリピン国内で発行された領収書が必須です。
■家賃収入に対する税金
・所得税(Income Tax)
GSR株式会社 会長
zukky PTE CEO
Gate of Assets Fundation director
一般社団法人フィリピンアセットコンサルティング 主席コンサルタント
1979年、愛知県生まれ。大原簿記専門学校卒業後、アパレル会社での勤務をへて、2000年、同業種で独立。同年自社ブランドを立ち上げ、卸、直営店舗を展開。その後、海外生産拠点を背景にOEM事業を開始。2005年にフィリピンに行き、1人のタクシードライバーに人生の生き方を考えさせられ、同地にて為替&アテンドビジネスをはじめ、もともとの事業を売却。その後、2007年にコンサル会社、2009年にPR会社を設立。2010年にフィリピンでオフショアのシステム会社が開発するフィリピン最大規模のITプラットフォーム事業へ投資。ハンズオンでビジネスの拡大の活動を続け数十の新規事業の立ち上げに貢献。2006年より子供たちの支援なども積極的に行いその功績により2022年にフランスの社会文化奨励勲章を受勲。
2014年にHallohallo Home incの事業構築サポートを行う中で、不動産売買仲介、管理、リーシング、内装、建築、ストリートチルドレン復学プログラム、人材派遣等、日本とフィリピンの双方にメリットのある事業が重要だと痛感する。フィリピン人や現地の弁護士、税理士、色々な人材に騙された事で自身で学びフィリピンでの成功パターンを習得したのだが、唯一不明だった現地の経済を動かす巨大財閥との付き合いにより、ほとんどの日本人の資産保全の思考が間違っていることに気が付く。2019年以降はシンガポールとフィリピン、アメリカ、イスラエル、フランスを中心に富裕層を対象にしたビジネスを構築。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載「フィリピン不動産投資」が資産形成に最適な5つの理由
ハロハロホーム マニラ本社
Director
ハロハロホームは、フィリピンのメトロマニラ首都圏のビジネス中心地マカティ市に本社を構え、フィリピン不動産投資や、フィリピンの土地販売を手がける企業。賃貸仲介サイトの運営、不動産管理、メンテナンス、内装、転売のサポートなど、購入・管理・売却まですべて対応できる強みを持つ。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載「フィリピン不動産投資」が資産形成に最適な5つの理由