企業が「職員の家族」のことを想像すべきワケ
もちろん、オンラインだけでなく、職場で親の働く姿を見せられれば、もっと勉強になるし、会社がどんなところかを知るのも学びになるでしょう。
そして働いている人たちの家族関係がよくなり、家族や子どもから仕事を理解されるようになるのは、企業にとっても大きなプラスになるわけです。だから仕事の場を、どんどん見せたほうがいい。
僕自身、子どもの頃に工房をウロウロしていたように、今は自分の子どもを工房に連れていきます。すると、気づけば学校帰りに職場にくるようになって、僕の親父である五代目と遊んだりしている。
無論、工房なので安全が大前提にはなりますが、必要であれば働いてくれる人たちのお子さんが工房にくることを僕は気にしませんし、実際、そうしたお子さんがきたときには、「アルバイト〜」と言って、簡単な作業に参加してもらうこともあります。
また、僕が2016年に始めた「Kaikado Café」では、「職人さんにゆっくりしてほしいです。そして、もしよかったらみんなの家族を連れてきていいよ」と、毎年みんなにドリンクチケットとフードチケットを渡したりもしています。
小さい工房だからできることかもしれませんが、世の中の企業がもっと「働いてくれる人たちの家族」のことを、具体的に想像するようになると面白くなるし、その企業がいろいろな意味で愛される、長く続く存在になっていきます。
働く人にとっても、子どもに自分の仕事姿を見せるのは、よい家族関係が続く源になる気がするのですが、みなさんいかがでしょうか?
八木 隆裕
開化堂
六代目当主