Appleから学ぶDX推進のポイント
ここではAppleから学べるDX推進の成功ポイントを2つ紹介します。
1.顧客視点の原点に立ち返る
今回紹介したAppleも、同じGAFAのひとつであるAmazonと同様、顧客視点を強く意識している会社です。
たとえば、iPhoneはユーザーの操作ミスを減らし使いやすさを高めるためにボタンの数を減らし、iPodでは3タップでユーザーが聴きたい音楽にたどり着くように、設計仕様にこだわっています。このように、常にユーザビリティ※を意識しながら最先端の技術を駆使し、自社製品の開発に注力しています。
※ ユーザビリティ:ユーザー(顧客)が商品やサービスを利用する際の使いやすさ。
「いかに顧客に新しい価値を提供できるか」、この企業方針を明確にあることで、常に顧客にとって画期的なプロダクトやサービスを届けることができます。
2.経営者主導型アプローチ
DXは、1部署1部門が行うものではありません。企業全体の戦略にも関わるため、すべての部門が自社DXプロジェクトの現況を認知すべきです。そのためには、企業のトップである経営者が全従業員を主導し、適宜必要な情報を周知する必要があります。
Apple創業者のスティーブ・ジョブズや現社長のティム・クックは、自らの思いやビジョンを描き実現する力を持っており、常に自社従業員を力強く牽引してきました。日本企業においても、経営者自らがDXを進めていく強い意志と気概を持つことがなにより大切です。
日本の中小企業が模倣できるポイント
はじめからAppleを目指さなくとも、日本の中小企業がDXをすすめるうえで模倣できるポイントがあります。主に、以下のような観点です。
・自社顧客の視点をいま以上に分析・調査し、大切にする
企業の方針として「顧客視点」を標榜する会社は多いですが、実行に移し、実際に体現できている会社はそこまで多くありません。最新技術を活用してあらゆる顧客データを分析し、「いま顧客になにを求められているのか」、「どうしたらもっと満足してもらえるのか」を常に探求し、トライ&エラーを繰り返しながら最適解を模索し続ける姿勢や行動が重要になってきます。
・経営者自らが積極的にデジタルに関する知見を深める
やはり、自社のDXに成功している企業は経営者自身がデジタル技術に造詣が深い傾向があります。まずは経営者がデジタル戦略に関する知識やノウハウを身につけ、それらを駆使して自社になにができるのかを把握する必要があるでしょう。
・DX人財を自社で育てる覚悟を持つ
中小企業において、すべてのデジタル技術の導入及び展開を自社で賄うことは非常に大変なことです。しかし、必要な教育を施し、可能な限り柔軟な対応ができる体制を整備することで、自社に新たなアンテナが立ち、今後のデジタル技術のキャッチアップがスピーディに行えるようになるはずです。
全員とはいいませんが、1人でも2人でもデジタル人財が自社で育つだけで、間違いなく成長に寄与するはずです。
■まとめ
今回は、AppleのDX事例や成功のポイント、日本の中小企業が模倣すべき点を紹介しました。
DXは専門的な知識が必要であり、ハードルが高いのが実情です。中小企業においてはいきなりDXを推進できる体制を敷ける企業はそう多くはないでしょう。
そのため、まずは自社の実情を鑑み、「デジタル化したい業務はなにか」、「取得したいけど取得できていないデータの有無」などを洗い出し、DXを専門とする企業に相談してみるといいでしょう。
対応できそうなところから1つひとつ試していくことで、少しずつ自社DX化が進み、中長期的にはそれらの営みが積み重なり、自社の長期繁栄につながるはずです。
日向野 卓也
株式会社GeNEE
代表取締役社長
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