多くの企業が直面するDXの「3つの壁」
GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)と呼ばれるグローバルIT企業を中心として、私たちの日常生活に浸透するデジタル技術、デジタルサービスは瞬く間に進化を遂げています。
そのような状況下、日本を含む世界各国の企業はデジタル技術、デジタルサービスの早期導入・早期適用が急務とされており、昨今大企業を中心にDXプロジェクトの具体例が報じられるようになってきました。
しかしながら巨視的な視点でDXの実情を見てみると、中小企業及び中堅企業の大半はまだDXプロジェクトに着手できていない、またはDXプロジェクトを開始してみたものの課題に直面し停滞する傾向にあります。まず始めにDXの過程で多くの企業が直面する3つの課題について紹介します。
データ収集と利活用
経済産業省が公表したDXの定義では、「データとテクノロジー技術の両方を活用することがDXである」と述べられています。そのため、DXを行うにあたって最初に直面するのがデータをどのように利活用するか、という課題です。
必要となるデータはその企業の置かれている状況やDX後のTo-Be(理想の姿や目指す姿)によって変わってきます。近い将来、もっと営業に力を入れたい企業であれば、クライアント情報(toBビジネスの場合、接触時の反応を含む受注確度など。toCビジネスの場合、コンバージョンレートなど)や営業活動の行動記録が重要になります。
一方、業務効率や生産効率を高める場合には製造部門・生産部門内にセンサーやビーコンといったツールを配置し、作業工程の状況や検査関連のデータを効率的に収集し、分析する必要があるはずです。
どのような情報を収集すべきなのか、それら情報をどのようにして集めるのか、そしてそれらのデータをどのように利活用するのか、をしっかりと道筋立てて進めていかないとDXプロジェクトは決して上手くいきません。
DXプロジェクトのゴールから逆算し、データの利活用の方法、データの収集の方法を徹底して検討することが大切です。
セキュリティ対策
データ収集及び利活用の方向性を明確にしたあと、次に取り組むべき問題はセキュリティ対策です。近年ではクラウドサービスが普及・浸透し始めており、DXを推進する際には、クラウドサービスの利用が不可欠です。
経済産業省が公開しているDXレポート2.1においても、「クラウド化されたサービスとして価値提供がなされ、環境変化に合わせて常にアップデートがなされる」ことをデジタル社会の1つの特徴として掲げられており、クラウドサービスとDXは密接に関係しているといえるでしょう。
このクラウドサービスを活用するにあたり、懸念すべき事案がセキュリティ対策になります。とりわけ、近年では従来のOSやソフトウェア及びミドルウェアの脆弱性を狙ったサイバー攻撃に加えて、エンドポイントを対象した攻撃も増加しています。エンドポイントはネットワークに接続されたパソコンやスマートフォンを指しています。
今後クラウドサービスの活用が進むと、企業のネットワークに接続するエンドポイント数も増加することになります。エンドポイントに対して適切な対策を取らないとエンドポイント経由で企業ネットワークに侵入され、重大なセキュリティトラブルを引き起こす可能性があります。
クラウドサービスへの移行を検討されている企業様は、取引のある開発会社と連携し、ID管理や運用管理、ウイルスなどのセキュリティ対策案を徹底して検討するようにしましょう。
市場への対応
DXを推進するにあたり、市場柔軟性を維持できるか、向上できるかどうかも重要な観点です。市場は瞬く間に変化するものです。近年、情報を入手できる手段が増え、情報の伝達速度も格段に上がっています。今後何か新しいサービスやプロダクトを出す場合、市場柔軟性を持ち合わせていないと、決して市場のマスを取ることはできないでしょう。
《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら