(※写真はイメージです/PIXTA)

児井正臣氏の著書『自然災害と大移住――前代未聞の防災プラン』より一部を抜粋・再編集し、「首都圏近郊の空き家問題」についてみていきます。

かつて相次いで出現した「ニュータウン」の末路

戦後の高度成長期に、全国的な人口増加と、大都市圏への人口の移動により全国各地に「ニュータウン」が相次いで出現し、増加する人口を郊外で受け入れようとした。そしてその世代の高齢化により今の郊外の空き家が多くなっているのが現実である。

 

国立社会保障・人口問題研究所の発表によれば日本の人口はこのままで行けば50年後の2070年には今の三分の二くらいになるそうだ。

 

仮に世帯数も同じ割合で減るとすると、今人の住んでいる住宅の約三分の一が空き家になる。かなりのスカスカであり、隙間だらけのまち、すなわちスポンジ状態のまちとなる。

 

そうなると道路、水道、電気などのライフライン維持のための行政の負担が増えるが、それは結局税金を払う住民の負担増となる。

 

また公共交通や宅配などの住民向けサービスを提供する側からしても、いつまでもサービスの質を維持できるとは限らないし、料金への転嫁も避けられなくなり、それも結局は住民にとっての負担増になる。

 

 

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児井 正臣

1968年3月 慶応義塾大学商学部を卒業(ゼミは交通経済学)。

1968年4月 日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。

1991年12月 一般旅行業務取扱主任者主任補の資格を取得。

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『自然災害と大移住――前代未聞の防災プラン』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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