介護業界におけるM&Aは準備期間が重要
M&Aを成功させるには、入念な準備が欠かせません。人員配置が適切に行われているか、設備の状態は良好か、今一度確認しましょう。従業員や利用者が不安を感じることがないよう、丁寧な説明も求められます。
人員配置や設備が適正か確認しておく
良い買い手を見つけるには、「買いたい」と思ってもらえるような魅力的な事業所でなければいけません。そのためには、人員配置の見直しや設備のチェックが必要です。ベテランぞろいの事業所でも、人員配置が不適切な状態では、業務の効率が落ちている可能性があります。M&Aに向けて客観的に見直し、生産性アップに努めましょう。
また設備の状況を正確に説明できる資料も用意します。たとえば建物の耐震対策や、設備の耐用年数などがすぐに分かるよう、一覧を作成しましょう。改修や買い替えの必要性について事前に分かっていると、買い手が判断しやすいからです。
従業員や利用者への説明は丁寧に
利用者が継続してサービスを受け続けられる買い手が見つかり、M&Aの最終契約を締結したら、従業員や利用者へ説明します。ここで十分な理解が得られないと、従業員の退職や利用者の反対が起こりかねません。
経営者が変わればさまざまな体制も変わるため、従業員も利用者も不安な気持ちになるでしょう。その気持ちを解消した上で、M&Aについて理解してもらえるよう、丁寧な説明が求められます。
M&A市場で介護業界は注目されている
介護業界はM&A市場で注目の的です。高齢化が進むことで今後ますます利用者は増えていくことに加え、報酬のほとんどが国から支払われるため確実に収益を得られます。新しく事業所を作るハードルが高いことも、M&Aが注目される理由です。ただし採用する手法によっては、許認可が引き継がれない点に注意しましょう。
株式譲渡であれば許認可がそのまま引き継がれますが、事業譲渡や会社分割では手続きが必要です。またM&A実施時に、売り手は買い手からデューデリジェンスという詳細な調査を受けます。法務・税務・財務などについて細かく調査されるため、あらかじめ不備がないか確認しておくと安心です。
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