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高齢化に伴う成長産業として注目される介護業界。市場規模は、介護給付・予防給付の介護保険給付費用で10兆円を超えるとされていますが、一方で業績不振から倒産に至る事業者も多く企業買収も活発です。介護業界の現状と企業買収の実態についてみていきます。

介護業界におけるM&Aは準備期間が重要

M&Aを成功させるには、入念な準備が欠かせません。人員配置が適切に行われているか、設備の状態は良好か、今一度確認しましょう。従業員や利用者が不安を感じることがないよう、丁寧な説明も求められます。

人員配置や設備が適正か確認しておく

良い買い手を見つけるには、「買いたい」と思ってもらえるような魅力的な事業所でなければいけません。そのためには、人員配置の見直しや設備のチェックが必要です。ベテランぞろいの事業所でも、人員配置が不適切な状態では、業務の効率が落ちている可能性があります。M&Aに向けて客観的に見直し、生産性アップに努めましょう。

 

また設備の状況を正確に説明できる資料も用意します。たとえば建物の耐震対策や、設備の耐用年数などがすぐに分かるよう、一覧を作成しましょう。改修や買い替えの必要性について事前に分かっていると、買い手が判断しやすいからです。

従業員や利用者への説明は丁寧に

利用者が継続してサービスを受け続けられる買い手が見つかり、M&Aの最終契約を締結したら、従業員や利用者へ説明します。ここで十分な理解が得られないと、従業員の退職や利用者の反対が起こりかねません。

 

経営者が変わればさまざまな体制も変わるため、従業員も利用者も不安な気持ちになるでしょう。その気持ちを解消した上で、M&Aについて理解してもらえるよう、丁寧な説明が求められます。

M&A市場で介護業界は注目されている

介護業界はM&A市場で注目の的です。高齢化が進むことで今後ますます利用者は増えていくことに加え、報酬のほとんどが国から支払われるため確実に収益を得られます。新しく事業所を作るハードルが高いことも、M&Aが注目される理由です。ただし採用する手法によっては、許認可が引き継がれない点に注意しましょう。

 

株式譲渡であれば許認可がそのまま引き継がれますが、事業譲渡や会社分割では手続きが必要です。またM&A実施時に、売り手は買い手からデューデリジェンスという詳細な調査を受けます。法務・税務・財務などについて細かく調査されるため、あらかじめ不備がないか確認しておくと安心です。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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