中古不動産、投資するなら「国内・海外」どっち?
――ここからは、国内・海外それぞれの物件データから、節税効果を確認していきます。
国内不動産のメリット
黒「まず国内不動産の一例です。
6,000万円の物件。築23年の木造ですから、償却期間は4年になります。
物件価格6,000万円×建物割合60%=償却対象額は3,600万円、1年あたりの減価償却費は、3,600万円÷4年=900万円になります。 つまり、4年目まで毎年900万円の減価償却費が取れる想定です。
国内不動産のメリットは、
・物件を見に行くことができる、管理体制をチェックしやすい安心感
・郊外の住宅地の場合、地価が低めなので、海外に近い利回りを得られる可能性もある
などが挙げられます」
海外不動産のメリット
――なるほど。では、海外不動産はいかがでしょうか。
黒「テキサス州の物件データをご紹介します。
570万ドルの木造物件。築年数は26年であるため、償却期間4年です。
物件価格570万ドル×建物割合82%=償却対象額は約466万ドル、1年あたりの減価償却費は、約466万ドル÷4年=約116.5万ドルとなります。
つまりこの物件では、1ドル=120円で計算すると、4年間×約116.5万ドルで約1億4,000万円の減価償却費が取れます。法人実効税率を33%とすると、1年で約4,600万円の節税効果です。
海外(アメリカ)不動産のメリットは、主に3つあります。
まず、「物件価格に対して建物割合が高い」という点です。建物の割合が約70~80%と高い設定になっています。建物割合が高いほうが、総額が同じでもより多く経費に入れられるという点が魅力でしょう。
また、中古物件が住宅マーケットの8~9割を占めていて、なかでも木造物件が多いため、「多くの物件が4年で償却できてしまう」というのもメリットの1つです。
さらに、「資産価値が落ちにくい」というメリットもあります。築80年や築100年で現役の家もざらにあります。物件の供給が少ないため、中古でも不動産の価値が落ちにくく、むしろいい立地の物件は時間が経つだんだん上がっていく傾向にあります」
――非常に魅力的ですね。
黒「はい。ただし海外不動産投資に関しては、節税メリットがあるのは法人のみになっている点には注意が必要です」
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黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
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