このような相場環境で投資すべき銘柄は
当面は「グロース株式」優位
まずは、金利の行き先を考えることが基本です。
[図表6]に示すとおり、執筆時点(3月22日)で、金融市場は「今後2年くらいかけての緩やかな利下げ」を織り込んでいます。その一方で、筆者は「今年中に2%台前半への利下げもありえる」と考えています。
仮に、[図表7]に米国債の利回り推移を示しますが、政策金利が2%台前半まで引き下げられるならば、2年金利は同じく2%台前半、10年金利は2%台後半が視野に入ります。
ですから、資産クラスで言えば、筆者は「利下げが始まるまでと、利下げが始まってしばらくの間は、国債が株式よりも優位になる」と考えています。
次に、株式市場のなかで考えると、
① 現在すでに景気見通しが急速に悪化している、
② 金融緩和が避けられない
わけですから、それぞれ、①『質への逃避』で大型株式が選好され、また[図表8]でも示すとおり、②金利低下で成長株式が選好されると考えています。まとめれば、筆者は「利下げが始まるまでと、利下げが始まってしばらくの間は、大型・成長株式が優位になる」と考えています。
以上のとおり、筆者は「利下げが始まるまでと、利下げが始まってしばらくの間は、株よりも債券が、また、小型株式・バリュー株式・リートよりも大型・グロース株式が優位になる」と考えています。
しかしながら、それは結局、冒頭のダリオの言葉にあるように、「マネーがプリントされる」ことを意味しますから、いつものとおり、「最終的な負け組はキャッシュ」であり、「小型・バリュー・リートには、より大きな買い場が訪れる」と考えています。
この先、まだ痛みは残るでしょう。しかし、痛みは買い場にほかなりません。積極的に行動しましょう。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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