「つみたてNISA」で利益を非課税に
株式投資を始めるにあたり、証券口座を開設する必要があります。このときに検討したいのが、「つみたてNISA」という制度です。
NISAの制度は2024年から大幅に改定されますが、新しいNISAでは現行の「つみたてNISA」のしくみをさらにパワーアップさせたものがベースとなります(新しいNISAの概要および現行制度との違いについては後述します)。
現在、証券会社を通じて行える税制優遇措置は、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」「iDeCo」の4つです。
このうち私が勧めるのが、「つみたてNISA」と「iDeCo」です。これらの制度は、「長期・分散・積立」という、安定的な資産運用を行うときに使えるものになっていて、投資初心者の人にもお勧めです。
まずはつみたてNISAから説明しましょう。「つみたてNISA」を利用すると、毎年40万円を上限として、投資信託を購入した年から最長20年間は、その投資信託から生じる分配金や譲渡益がすべて非課税になります。
そして、現在の法律では2042年12月末までが投資可能期間として認められているので、2023年に「つみたてNISA」を始めれば、合計で40万円×20年=800万円までの積立投資が非課税になります。
私が投資初心者の方に「つみたてNISA」をお勧めする理由は、対象になっている商品が「長期・分散・積立」を実現しやすい商品に限定されているからです。2023年2月9日時点では、「つみたてNISA」の対象商品は221本となっています。
私がお勧めする「インデックスファンド」というタイプの投資信託の場合、主に以下の条件を満たすものが「つみたてNISA」の対象となっています。要は低コストで長く運用を続けられる商品がラインナップされているのです。
・主な投資対象に株式を含んでいる
・販売手数料がゼロ
・信託報酬が一定以下
・信託契約期間が無期限もしくは20年以上ある
「つみたてNISA」を始めるには、金融機関で専用口座(以下、「つみたてNISA口座」)を開設する必要があります。「つみたてNISA口座」は1人1口座しか持てないので、どの証券会社で手続きをするかを決めておかなくてはいけません。
ネット証券であれば、インターネットから申し込みを行うことができますが、すぐに口座が開設されるわけではありません。証券会社から税務署に申請を行い、その審査をクリアするまでに1~2週間程度の時間がかかります。
ちなみに、税務署による審査は、年齢や、複数の金融機関で申請されていないかなどをチェックするもので、通常は落ちることはありません。その後、無事に「つみたてNISA口座」が開設できたら、あとは投資信託を選び、積立投資の設定を行うだけです。