今も凄いのにさらにパワーアップして使いやすく!お金を増やして節税もできる「つみたてNISA」の威力が想像のナナメ上をいくワケ【元国税専門官が解説】

今も凄いのにさらにパワーアップして使いやすく!お金を増やして節税もできる「つみたてNISA」の威力が想像のナナメ上をいくワケ【元国税専門官が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンの給料や退職金は上がらないのに、税金や社会保険料等の負担は増大しています。自衛手段として「節税」する必要がありますが、利用できる手段は貴重です。本記事では元国税専門官である小林義崇氏が、新刊著書『会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて』(PHP研究所)から、節税しながらお金を積み立てることができる「iDeCo」と「企業型DC」について解説します。

「つみたてNISA」・「iDeCo」それぞれのメリット

また、運用益が非課税という点は「つみたてNISA」も「iDeCo」も同じなのですが、「つみたてNISA」の非課税期間は20年間を超えることはありません。

 

「iDeCo」の場合、加入するタイミングにもよりますが、たとえば30歳で加入すれば、60歳以降にお金を受け取るまでの30年間ずっと非課税です。

 

さらに、「iDeCo」の受け取り時期は、加入から10年以上経過していれば60歳から75歳まで任意で決めることができます。

 

ということは、たとえば60歳を過ぎても仕事を続ける人は、そのときも所得控除を受けつつ、非課税で運用を続けられるということです(ただし、この点については今後の制度改正により解決される予定です。詳しくは後述しますが、2024年以降、「つみたてNISA」の投資可能期間が無期限になります)。

 

最後に、受取時の税金について。こちらは「つみたてNISA」のほうが有利です。「つみたてNISA」で運用した投資信託を現金化して受け取ったときは、税金は一切かかりません。

 

「iDeCo」で60歳以降に受け取る給付金は、一括給付であれば退職所得、分割給付であれば雑所得の扱いになり、所得税や住民税の対象になります。とはいえ、受け取り時の税負担も抑えられるようになっています。

 

総合的に考えれば、掛金が所得控除になる「iDeCo」のほうが節税効果は高いと考えられますが、「つみたてNISA」にも優れた点があります。それは、家計の状況に合わせて柔軟に利用できる点です。

 

「iDeCo」の場合、いったん利用をはじめると、原則として60歳以降の受け取り開始時期まではお金を戻せません。そのため、掛金をあまり多くかけると、いざというときに困る可能性があります。

 

たとえば転職により収入が減ったり、教育費や医療費などの支払いが必要になったりして、急にお金が必要になったときのことを考えてみてください。そのとき、「iDeCo」にいかに多くのお金を積み立てていたとしても、これを引き出すことはできないのです。

 

また、「iDeCo」の掛金を減らして急場をしのぐことは可能ですが、掛金は最低5,000円と決められています。そして、掛金の減額ができるタイミングは1年に一度きりなので、次の変更日まで待たなくてはいけません。

 

この点、「つみたてNISA」の場合、月々の積立額はすぐに変更できます。金融機関によっては月額100円まで落とせるので、家計が厳しいときは助かることでしょう。

 

そして、「つみたてNISA」は非課税期間の途中であっても解約して現金化できます。長期投資を守るために、解約は最後の手段にすべきですが、本当に困ったときは検討してもいいと思います。

 

積み立てた投資信託の全額を解約せず、一部だけを解約するということも可能です。

 

このような違いがあるので、「iDeCo」を利用する場合は、月々の掛金の設定をより慎重に行う必要があります。投資でリターンを得るためには多く積み立てたいところですが、家計の変動も踏まえて考えなくてはいけません。

 

もしどちらか一方にしようとして迷うのであれば、まずは「つみたてNISA」にしておくことをお勧めします。そこで積立投資を経験し、家計に無理がないことを確認できたら、「つみたてNISA」からiDeCoに切り替えてもいいでしょう。

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会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて

会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて

小林 義崇

PHP研究所

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