(※写真はイメージです/PIXTA)

人生の中で、好きなように生きられる時間は限られています。その時間をより効率よく使うために、自身の生活に蔓延る「ダラダラ習慣」、無くしたくありませんか?「ダラダラ習慣」は、基本的に遺伝ではなく、日々の生活のしかたや、考え方を変えるだけであっという間に変えることができます。「ダラダラ習慣」の原因と解決方法について、心理学者の内藤誼人氏の著書『ダラダラ時間をリセットする最新心理学BEST60』から一部抜粋してお届けします。

職場の人たちがダラダラしているのでは?

私は責任転嫁があまり好きではありませんが、一つだけ指摘させてください。それは「職場の雰囲気」です。もし職場の人たちが、そろってダラダラしているようなら、自分一人だけテキパキと行動するのは難しいでしょう。というのも、私たちは、一緒に働く人によって影響を受けてしまうからです。

 

職場にダラダラしている人がいると、周囲の人たちも同じようにダラダラしはじめます。

 

心理学では、この現象を「感染効果」と呼んでいます。自分でも気がつかないうちに、私たちは周囲の人と同じ感情、同じ行動をとるようになってしまうのです。

 

もしみなさんがダラダラしているのなら、その原因は、上司、先輩、あるいは同僚がダラダラしているからかもしれません。

 

私たちの気分が他人によって影響されてしまうことを示す研究を紹介しましょう。

キビキビ人間に生まれ変わるには

アメリカ・カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のトーマス・サイ氏は、3人から5人で一つのグループをつくらせ、力を合わせてテントを組み立てるという実験をしてみたことがあります。

 

ただし、何人かのグループのリーダーには、事前にテレビのユーモア番組を見てもらい、楽しい気分にさせました。別のリーダーには、何の変哲もないドキュメンタリー番組を見てもらいました。こちらは比較のための条件(コントロール条件)ですね。

 

さて、テントの組み立て作業をしている場面を観察してみると、とても興味深いことがわかりました。

 

事前にユーモア番組を見て、楽しい気分になったリーダーに率いられるグループのメンバーは、リーダーのムードが感染したのか、お互いに笑いながら協力しあって作業をしたのです。

 

楽しい気分は、メンバーにも感染したのです。

 

この研究でわかる通り、私たちの心理というものは他者の影響を受けます。自分がダラダラしてしまうのは、「そういう人たちばかりの職場だから」ということも大いに考えられるのです。

 

転職をした経験がある人なら、この現象を体験しているかもしれません。

 

元の職場ではみんながダラダラしていたのに、新しい職場に移り、みんながキビキビ作業をしているとキビキビと行動できる自分になっているのに気づかされます。

 

逆のパターンとして、それまでキビキビと働いていた人が、転職したことによって職場の雰囲気が変わり、ダラダラしはじめてしまうこともあるでしょうね。

 

もしダラダラ人間から、キビキビ人間に生まれ変わりたいのなら、キビキビと働く人と友達になるといいですよ。一秒も時間をムダにせず、毎日充実した生活を送っているような人と付き合うようにするのです。そうすれば、その人からの好ましい感染効果が働いて、みなさんもキビキビした人間になっていくでしょう。

ダラダラ時間をリセットする最新心理学BEST60

ダラダラ時間をリセットする最新心理学BEST60

内藤 誼人

春陽堂書店

80歳まで生きると仮定して、35歳のあなたの残り時間は約2340週間、55歳のあなたの残り時間は約1300週間しかありません。 限られた残り時間をムダにしないために世界最先端の心理学を武器にすることで、人生をより豊かなものに…

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