孫正義が実践する「48時間デフォルト制」が超効率的な理由。人生は「デフォルトの設定」で変わる【心理学者が解説】

孫正義が実践する「48時間デフォルト制」が超効率的な理由。人生は「デフォルトの設定」で変わる【心理学者が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

人生の中で、好きなように生きられる時間は限られています。その時間をより効率よく使うために、自身の生活に蔓延る「ダラダラ習慣」、無くしたくありませんか? 「ダラダラ習慣」は、基本的に遺伝ではなく、日々の生活のしかたや、考え方を変えるだけであっという間に変えることができます。「ダラダラ習慣」の原因と解決方法について、心理学者・内藤誼人氏の著書『ダラダラ時間をリセットする最新心理学BEST60』から一部抜粋してお届けします。

 

デフォルトを変える

あらかじめ設定されている標準の設定のことを「デフォルト」といいます。パソコンの初期設定、初期値などがデフォルト。

 

ダラダラしている人は、自分が行動するときの「心のデフォルト」の設定が間違えています。

 

たとえば、ビジネスメールが来たとき、「あとで時間があるときに返信すればいいや」というデフォルト設定をしているから、大切なメールに対して返信を忘れてしまったりするのです。もし自分の心のデフォルトを変えて、「メールは、内容を確認したら、すぐに、その場で返信する」という設定にしておけば、返信し忘れることはありません。

 

ダラダラしている人は、いろいろな心のデフォルトの設定を間違えているのです。一度、自分がどんなデフォルト設定をしているのか、総点検してみることをおすすめします。

 

ちなみに、ソフトバンク創業者の孫正義さんは、「48時間デフォルト制」を採用しているそうです。孫さんは、毎日たくさんの稟議書に目を通さなくてはなりませんが、48時間以内に「イエス」か「ノー」かを判断して答えなければならず、かりに48時間以内に意思表示しなかった場合には、自動的に「イエス」となるシステムで仕事をしているといいます。これはうまいやり方ですね。

 

デフォルトを変えると、私たちの行動は大きく変わります。どんな初期設定をするかは、ものすごく重要なのです。

臓器提供の「初期設定」に見る国別の違い

アメリカでは、「臓器提供はよいことだ」と考える人が85%もいるのに、実際に臓器提供のサインをしてくれる人は、かなり少数です。日本もそうです。

 

ところが他の国に目を向けてみると、フランスでは99.91%の国民がドナー登録していますし、ハンガリーでは99.97%、ポーランドでは99.50%。ほぼ100%ですよ。いったい、これはどうしてなのでしょうか。

 

答えを言うと、デフォルトの違い。

 

アメリカや日本では、自分から「臓器提供に関する意思」を積極的に示さないと、ドナー登録がなされないのですが、フランスやハンガリーでは、「臓器提供はしません」というサインをしないと、無条件で「臓器提供の意思あり」と見なされるのです。

 

もしデフォルトの設定を変えれば、ドナーの数はあっという間に増えるはずだ、とアメリカ・コロンビア大学のエリック・ジョンソン氏は指摘しています。どんな初期設定をするかによって、人の行動は大きく変わるからです。

 

デフォルトがゆるくなっていると、どうしてもダラダラしてしまいます。

 

したがって、あらゆる行動のデフォルトを総点検し、デフォルトを変えてみてください。

 

「夕方の5時までに仕事を終える」というデフォルトでなく、「夕方の4時までにはその日の仕事を終え、その後の時間は翌日の準備にあてる」といったデフォルト設定にすれば、仕事の能率もあがりますし、ダラダラしないようになりますよ。

 

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ダラダラ時間をリセットする最新心理学BEST60

ダラダラ時間をリセットする最新心理学BEST60

内藤 誼人

春陽堂書店

80歳まで生きると仮定して、35歳のあなたの残り時間は約2340週間、55歳のあなたの残り時間は約1300週間しかありません。 限られた残り時間をムダにしないために世界最先端の心理学を武器にすることで、人生をより豊かなものに…

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