EQ(感情知能)が高い人の方が「月給が高い」
頭のよさにかかわるIQ(知能指数)に対して、心にかかわる知能指数のことをEQ(感情知能)と呼びます(本当は「EI」が正解なのですが、なぜか日本ではEQという呼び名のほうが有名になってしまったので、本書でもEQと呼びます)。
EQは、たとえば、「自分の感情がわかる」「イラっとしても、すぐに元通りになれる」といった質問で測定されます。ネットで検索すれば、無料のテストも見つかりますので、自分のEQの高さを知っておくのもいいですね。
スペイン・デウスト大学のイツィアール・ウルキホ氏は、271人の大学の卒業生を調べたところ、EQの高い人のほうが、仕事を楽しんでおり、「もっと仕事をしたい」という気持ちを強く感じており、しかも月給まで高いことがわかりました。
EQが高い人の方が“確実に楽しく仕事ができる”
同じような研究は、アメリカ・サウスアラバマ大学のデビッド・ターニップシード氏の研究でも示されています。
ターニップシード氏によると、EQの高い人は、職場で、困っている人を助けたり、必要でない仕事までやってしまったりする傾向もあるそうです。仕事が楽しいので、そういうことも自然にできるのかもしれないですね。
ちなみに、別の研究では、IQのほうはあまり仕事に関係していないこともわかっています。頭がいいからといって、仕事を楽しめるかどうかはわかりませんが、EQの高い人は、確実に楽しく仕事ができるのです。
しかもありがたいことに、EQを鍛えるゲームやトレーニングアプリはすでにたくさん存在します。
アプリで楽しく遊びながら、笑顔のトレーニングをしたり、ポジティブな感情を引き出したりできるのですから、まことに便利な世の中になったなあ、とつくづく思います。
昔は、EQを鍛えようとしたら、セラピストなどが行うグループセッションに高いお金を払って参加する必要がありましたが、今では無料のアプリでもいくらでも鍛えられるのです。こういう便利なテクノロジーの力を借りない手はありません。
EQが高くなると、人間関係で厄介な問題を引き起こすことが減りますし、言いたいこともきちんと自己主張できるようになりますし、チームやグループでの作業が苦痛でなくなりますし、まことによいことずくめです。
頭のよさ(IQ)もそうですが、心の知能指数(EQ)のほうも、トレーニング次第ではいくらでも伸ばせますから、楽しみながら伸ばしてみてほしいですね。