家の固定費でも「節税」ができる!? 「副業」するなら必ず知っておきたい「極限まで税金を抑える」ためのノウハウ【元国税専門官が解説】

家の固定費でも「節税」ができる!? 「副業」するなら必ず知っておきたい「極限まで税金を抑える」ためのノウハウ【元国税専門官が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンの給料や退職金は上がらないのに、税金や社会保険料等の負担が増大しています。そんななか「節税」できる手段は貴重です。本記事では元国税専門官である小林義崇氏が、新刊著書『会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて』(PHP研究所)から、「副業」をするときに知っておきたい、可能な限り税金を抑えるのに役立つ方法と基礎知識について解説します。

ボーダーラインは年間20万円の利益

前にも少し説明しましたが、副業を始めようとする人は、まずは「年間20万円以上の所得」というボーダーラインを押さえておきましょう。

 

1月1日から12月31日までの1年間に、給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超えた場合、原則として確定申告が必要になります。

 

たとえば週末に副業でライターの仕事をして、年間の所得が20万円を超えたら、確定申告をして所得税を納めなくてはいけません。

 

また、勘違いをしやすいのですが、副業による年間所得が20万円以内だったとしても、税金の手続きがまったく不要になるわけではありません。

 

この場合、たしかに確定申告や所得税の納税は不要なのですが、住民税の手続きは別途必要になります。住民税には、所得税のように年間20万円というボーダーラインはないので、副業の収入があれば住民税の申告が必要になります。

 

申告方法などは、お住まいの地方自治体に問い合わせて確認するといいでしょう。

副業の稼ぎは「事業所得」か「雑所得」

日本の所得税や住民税には、「所得の種類」によって計算の仕方が変わるという特徴があります。

 

たとえば同じ100万円を稼ぐにしても、給料でもらうのか、ビジネスで稼ぐのか、投資で稼ぐのか、といった状況によって、所得の種類が変わります([図表2])。

 

[図表2]所得には10の区分がある

 

そして、所得の種類によって税金面で有利・不利の差が出てきます。

 

副業で得た所得については「雑所得」という扱いが一般的なのですが、「事業所得」となる可能性もあります。

 

事業所得と雑所得の違いを判断するのは簡単ではなく、「いくら以上稼いだら事業所得」といった明確な基準がありません。

 

基本的には、安定的にある程度の収益を得られるような仕事であれば事業所得、たまにお小遣い稼ぎをするような程度であれば雑所得、といったイメージをもっておけば十分でしょう。

 

この判断に関して、2022年に国税庁が通達を発表しました。その内容を簡単に説明すると、「記帳や帳簿書類の保存がない人は、原則として雑所得」というものです。

 

この基準によると、年間売上が300万円以下で記帳や帳簿書類の保存がない人は、雑所得と判定されます。

 

後述しますが、事業所得は青色申告などの方法を使うことで節税できますが、雑所得には使えません。節税のためには、きちんと日々の取引を記録して、帳簿書類にまとめる必要があるのです。

 

注:次のような場合には、事業と認められるかどうかを個別に判断することとなります。    ①その所得の収入金額が僅少と認められる場合    ②その所得を得る活動に営利性が認められない場合  出所: 国税庁ホームページ
[図表3]事業所得と業務に係る雑所得等の区分(イメージ) 注:次のような場合には、事業と認められるかどうかを個別に判断することとなります。
  ①その所得の収入金額が僅少と認められる場合
  ②その所得を得る活動に営利性が認められない場合

出所: 国税庁ホームページ
次ページ雑所得よりも事業所得のほうが節税できる
会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて

会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて

小林 義崇

PHP研究所

自動的に適用される節税の制度が次々と廃止され、 任意で使える節税の制度が増えている。 だからこそ、知識の違いで税金の負担に大きな差が出る! 2022年度の租税負担率と社会保障負担率を合わせた国民負担率は5割近くに上…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録