知らないと大損!「申告誤り」多発で税務署が目を光らせる…自分と家族にかかわる「6つの所得控除」【元国税専門官が解説】

知らないと大損!「申告誤り」多発で税務署が目を光らせる…自分と家族にかかわる「6つの所得控除」【元国税専門官が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンの給料や退職金は上がらず、その反面、税金や社会保険料等の負担は増大しています。今やサラリーマンにとって、自衛手段として能動的に「節税」することが欠かせません。本記事では元国税専門官である小林義崇氏が、新刊著書『会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて』(PHP研究所)から、サラリーマンが利用できる「人」に着目した「所得控除」の制度について解説します。

扶養控除

配偶者以外の親族を扶養に入れているのであれば、扶養控除を使える可能性があります。

 

扶養控除についてよくある勘違いが、「子どもが生まれると扶養控除が使える」というものです。しかし、実は16歳未満の子は扶養控除の対象になっていません。扶養控除を使うには、以下のすべての条件を満たす必要があります。

 

1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族(いんぞく))又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること

2. 税者と生計を一(いつ)にしていること

3. 年間の合計所得金額が48万円(給与収入に換算すると103万円)以下であること

4. 青色(あおいろ)事業専従者・白色(しろいろ)事業専従者でないこと

5. その年の12月31日現在の年齢が16歳以上であること

 

扶養控除の控除額にはいくつかのパターンがありますが、基本的に38万円です。あとは、扶養されている人の年齢や、同居しているかによって控除額が増えます。

 

注: 同居老親等の「同居」については、病気治療のため入院していることにより納税者等と別居している場合は、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居に該当するものとして取り扱って差し支えありません。ただし、老人ホーム等へ入所している場合には、その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえません。  出所:国税庁ホームページ
[図表5]扶養控除 注:同居老親等の「同居」については、病気治療のため入院していることにより納税者等と別居している場合は、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居に該当するものとして取り扱って差し支えありません。ただし、老人ホーム等へ入所している場合には、その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえません。

出所:国税庁ホームページ

 

その年の12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満なら「特定扶養親族」、70歳以上なら「老人扶養親族」という扱いです。

 

お子さんのいる方は、その子が16歳以上になったら扶養控除の申請を忘れないようにしましょう。というのも、このタイミングで児童手当の支給がなくなるからです。

 

児童手当は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人を対象に支給されるものです。

 

その子が中学を卒業すると児童手当はゼロになってしまいますから、収入減少を補うためにも扶養控除をきちんと申請しておく必要があります。

 

年末調整や確定申告の書式の中で、「16歳以上の子」と「16歳未満の子」を書く欄は異なるので、間違えないようにしてください。

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会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて

会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて

小林 義崇

PHP研究所

自動的に適用される節税の制度が次々と廃止され、 任意で使える節税の制度が増えている。 だからこそ、知識の違いで税金の負担に大きな差が出る! 2022年度の租税負担率と社会保障負担率を合わせた国民負担率は5割近くに上…

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