元キャスターのCFPが50代後半から母の介護の経験を通してわかった、「人生100年」でも老後資金は「75歳まで」を厚くすべきという納得の理由【CFPが解説】

元キャスターのCFPが50代後半から母の介護の経験を通してわかった、「人生100年」でも老後資金は「75歳まで」を厚くすべきという納得の理由【CFPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人が、老後のセカンドライフのプランや生活資金について、漠然とした不安を抱えています。その不安の内容を明らかにし、解決するためには何をすればよいのでしょうか。本記事では、元キャスターでCFP・ジャーナリストの和泉昭子氏が、著書『定年後のお金、なんとかなる超入門 インフレ時代のセカンドライフ』(KADOKAWA)から、理想のセカンドライフを過ごすために、何から手を付けるべきかについて解説します。

大事にしたいことの主軸を変えよう「働く人」から「趣味を楽しむ人」へ転換

【CHECK!】

  • ライフキャリアレインボーで自分のキャリアを見直す
  • 悔いのない老後を過ごすために「やりたいこと」「やりたかったこと」をじっくり考える
  • 優先順位をつけてお金の配分も検討する

 

生徒:定年後に何をやりたいか? すぐに思いつかない人も多いのではないかと思うのですが。

 

先生:そういう方も結構多いと思います。ここで、私がおススメする「やりたいこと」の考え方メソッドをお伝えしますね。

 

生徒:考え方メソッド! どんな方法ですか?

 

先生:自分の人生を楽しくするために、アメリカの教育学者ドナルド・E・スーパーが提唱している「ライフキャリア・レインボー」という理論から、人生のライフキャリアを輝かせるヒントを考えます。

 

生徒:ライフキャリアとは?

 

先生:この理論ではキャリアを仕事だけととらえず、年齢や置かれている立場の8つの役割の組み合わせでキャリアが形成されているとしています。[図表2]を見てください。

 

人生のステージには「子」としての役割があり、その後成長していくうちに「学ぶ人」となり、成人すれば「働く人」という風に変化していきますよね。これは1つだけじゃなく、同時に誰かの「親」だったり、「配偶者」だったりと複数の役割があります。

 

[図表2]ライフキャリア・レインボー

 

先生:そして、この役割は、年齢やその場所によってさまざまに変化していきます。現役時代であれば、「親」「働く人」「家を維持する人」の幅が大きくなりますし、仕事をしながら勉強を続けていれば、「学ぶ人」でもあります。

 

スーパー氏は、この複数の役割での経験を積んでいくことで、自分の豊かな人生やキャリア形成が可能になると唱えているのです。

 

この役割は、定年後には変化します。たとえば、働く人や親の役割は小さくなり、代わりに「市民」としてボランティア活動をしたり、「趣味を楽しむ人」として、自分の好きなことを思いっきりやる。この趣味を楽しむのも人生のキャリアを積んでいるという風にとらえているんです。

 

このライフキャリアをベースに、これからやりたことを考えてみましょう。お金や時間、健康などの制限はいったんわきに置きます。

 

まずは、付箋を用意してください。

 

生徒:お金も時間も制限なし。どんなことでもいいんですね。

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定年後のお金、なんとかなる超入門 インフレ時代のセカンドライフ

定年後のお金、なんとかなる超入門 インフレ時代のセカンドライフ

和泉 昭子

KADOKAWA

インフレ時代、60代に自分優先でお金を使う「前厚」が後悔しないコツです 急激な物価高。安定しない株価や為替。そして人生は100年。不安な気持ちにもなりますが、まだまだ間に合う打ち手があると言うのが、生活経済ジャー…

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