(※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代、老後は確実に長くなっています。特に75歳以降の「後半」になると多くの人が「介護」の問題に直面します。本記事では、自身も50代後半から母親を介護した経験をもつCFP・ジャーナリストの和泉昭子氏が、著書『定年後のお金、なんとかなる超入門 インフレ時代のセカンドライフ』(KADOKAWA)から、もしも介護状態になった場合に利用できるサービスの種類・内容や費用負担について解説します。

セカンドライフにはいろいろな不安が付き物です。そもそも老後のライフプランを考えたことがないという人も多いのではないでしょうか。そこで、理想の老後を過ごすためにはどんなことをすべきかについて、「先生」と「生徒」の2人とともに考えてみましょう。

誰もが介護いらずとは限らない 介護の必要性が高まる年齢は?

【CHECK!】

・80歳を過ぎると介護の可能性が高まる

・介護はいつまで続くか予測がつかない。平均年数は約5年

 

生徒:老後は、「60歳から75歳まで」の前半の楽しい時期はいいですが、「75歳から」の後半は、介護についても真剣に考えなくてはいけない時期に突入しますよね。

 

先生:超高齢化社会になった現在、介護は誰にとっても身近な問題です。理想はいつまでも楽しく健康に生きることですが、[図表1]のグラフの通り、現実には、80歳を過ぎると介護が必要な人の割合が大きく増えます。

 

さらに、85歳以上になると約6割の人が要支援・要介護になります。70代の後半あたりから介護費が必要になることを想定して、介護のお金を準備しておく必要があります。

 

生徒:介護にかかる費用はどのくらいなのでしょうか?

 

先生:ある調査によれば、在宅介護の場合には平均月4.8万円、施設介護の場合には平均月12.2万円です。また、介護スタート時の初期費用(リフォーム料金や車いすなどの介護用品の料金)は平均74万円となります。

 

ただし、これはあくまで平均で、場合によってはさらに多額の出費が必要となるケースも。ちなみに、介護の平均期間は5年1カ月となっています。

 

生徒:在宅介護でも5年程度で約300万円かぁ。さらに、初期費用がかかると思うと、介護費用への備えは必須ですね。

 

[図表1]80歳を過ぎると介護が必要な人の割合が高くなる

 

[図表2]介護のお金はどのくらいかかる?

 

先生:実際、急に倒れて要介護状態になることもあるので、地域の介護情報や手配を集約している「地域包括センター」に顔を出してガイドブックなどをもらうといいですね。介護にかかるお金は、あらかじめ別枠で取っておきましょう。

 

貯蓄以外にも生命保険の解約返戻金やiDeCoで積み立てたお金を活用するなど、いざというときのお金を捻出する手段はいろいろあります。

在宅で受けられる介護サービスを理解しておく

【CHECK!】

・在宅介護の基本は家で受けられる介護と通う介護の2つ

・日常的なケアと医療的ケアが受けられる

 

生徒:自分らしい生活を続けるために、できる限り自宅で頑張りたいです。在宅で受けられる介護サービスはどんなものですか?

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定年後のお金、なんとかなる超入門 インフレ時代のセカンドライフ

定年後のお金、なんとかなる超入門 インフレ時代のセカンドライフ

和泉 昭子

KADOKAWA

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