(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資は、収益を上げられる可能性がある一方で、さまざまなリスクもあります。「楽して儲かる」ということも、「掘り出し物件」も、まずありません。本記事では、不動産取引に関する法律実務に精通し、自身も不動産投資家である弁護士・山村暢彦氏が、著書『失敗しない不動産投資の法律知識』(中央経済社)より、自身の長年の経験を踏まえ、不動産投資のリスクと、行うにあたって必要な心構えについて解説します。

事業に必ずついてくるもの―その1「税務処理」

不動産賃貸は「事業」ですから、仮に給与所得の方でも別途税金の処理が必要になってきます。これも税理士に頼めば、その分の費用が発生しますし、自分でやるには税務申告の勉強が必要になってきます。

事業に必ずついてくるもの―その2「トラブル処理」

さらに、トラブルが起きた場合どのように処理するか、多少のトラブルであれば、自ら調べて対応する大家さんが私の周りには多いように感じます。

 

弁護士の私が言うのもなんですが、何でもかんでも弁護士に任せてしまうと、費用対効果が悪いのは言うまでもありません。

 

不動産賃貸事業をやるには、簡単にまとめても、以下の6つの判断が必要になってきます。

 

1. 物件の目利き

2. 保有か売却かの戦略

3. 補修費用の是非の判断

4. 融資のための交渉、相場観

5. 税務処理

6. トラブル処理

 

もちろん、1. 〜6. まですべてできる方はいないと思います。

 

ただ、少なくとも、人に任せた結果が良かったのか悪かったのか、その人が上手く動かない場合にはどのように対処するのか、自分で判断しなければならない部分は必ず残ります。

 

くどいようですが、この辺りの話は、個人事業主や経営者等、実際に自分で事業を営んでいる方は当然のこととして認識されているでしょう。

 

しかし、学校を出てから、サラリーマン一筋でやってきた方の中には、「相手がプロなのだから、任せたのに」と、任せた人が全部上手くやってくれるという、お客様目線の発想が残っている方もいらっしゃいます。

 

改めて、言います。「不動産投資」は人任せにしていて上手くいくようなものではありません。

 

ちまたで「不動産投資」と呼ばれているものは、「不動産賃貸事業」「大家業」であり、そこに参加する方は、その事業の「社長」なわけです。

 

仮に、仲介会社、建築会社、リフォーム会社、税理士、弁護士などに業務を委託するにしても、ある種、部下に仕事を任せるようなものであり、最終的な責任と判断は、あなた自身でしていかねばならないことを自覚しておくべきです。

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失敗しない不動産投資の法律知識

失敗しない不動産投資の法律知識

山村 暢彦

中央経済社

不動産投資を始めようとしている方、不動産投資の経験のある方、次世代に賃貸不動産を遺したい方。人に貸すための不動産購入で失敗しないための法律知識がわかる本。

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