(※写真はイメージです/PIXTA)

「返さなくてもいい」。そう言われて受け取っていた金銭は、法的に見た場合、返済義務があるのでしょうか。当事者間だけで解決できれば問題はなさそうですが、第三者が介入してくると、途端に問題が複雑になってきます。実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、遺産分割における生前贈与について鈴木崇裕弁護士に解説していただきました。

相続の方法を決めるには

 

①相続人全員で合意する(遺産分割協議)

②遺言があれば、遺言に従う

③裁判所に決めてもらう(遺産分割調停・審判)

 

という方法があります。

 

相続人間で話し合い、皆が納得する遺産分割協議が成立すれば良いのですが、遺産の中で不動産の比率が高いような場合等には平等な相続が実現しにくいこともあります。

 

そこで、被相続人が生前に準備できることとして、遺言を作成して相続の方法をあらかじめ決めておくことをお勧めしています。ただし、遺言があっても相続人全員が合意をすれば、遺言の内容と異なる遺産分割協議をすることも可能です。

 

遺言を書いて準備しておくこと

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

遺言を作成する際には、遺言によっても侵害できない持分「遺留分」があることに注意が必要です。本来の相続分の2分の1が遺留分とされており、上記の例ですと、遺産総額4,500万円の3分の1(法定相続分)のさらに2分の1、つまり6分の1が、それぞれの相続人の遺留分です。

 

仮に遺言で「全財産を長男に相続させる」と書いたとしても、次男や長女は、長男に対して4,500÷6=750万円ずつを請求することが出来ることになります。

 

逆に言えば、「実家を長男に、次男と長女には750万円ずつ」という遺言になっていれば、長男の取得する財産は大きいですが、次男と長女は遺留分を請求することはできないので、相続争いは起きません。不公平感は残るかもしれませんが、法的に争うことはできません。

 

今回は遺留分の金額の計算がしやすいような例を挙げましたが、遺産の総額がもっと小さくても相続争いは起きます。遺言を書く立場からすると、相続人に優劣をつけるような感じがして抵抗感があるかもしれませんが、大切な家族や親族が自分の死後、相続争いにならないよう、なるべく遺言を書いて準備しておくことをお勧めします。

 

その際は、遺言の形式が正しく整っているか、誰かの遺留分を侵害していてかえって争いの元にならないかなど、専門家にチェックしてもらったほうが良いでしょう。

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