税理士費用は誰が払う? 「相続人の負担割合」について解説
相続発生時において、税理士へ相続税の申告を依頼した場合には、上述した報酬を支払う必要があります。この税理士報酬については相続人が全員で支払うことも可能ですし、相続人の代表者一人が支払うことも可能です。
ただし、相続人に配偶者や子供などがいる場合には、配偶者が税理士報酬を全額支払うのがおすすめです。
理由として、配偶者の場合には、相続税の配偶者控除の適用を受ける事ができるため相続税がかかりません。また、配偶者が後に亡くなり二次相続が発生した場合には、配偶者の財産を少しでも減らしておくことが相続税対策として有効に働くためです。
相続税に強い税理士の選び方
医師が内科、外科、眼科、皮膚科など様々な分野において個々に専門分野があるように、税理士も所得税、法人税、消費税、相続税などの得意分野があります。素人からしてみれば、税理士は税金のプロなので、税金の事なら何でも知っているという認識があるかと思います。
しかし、実際は税理士でも得意分野は様々ありますが、相続に強い税理士を素人が判断するのは非常に難しいです。
そこで、素人でも相続税に強い税理士の選び方としては、次のようなポイントを意識して選ぶようにしましょう。
“適正な報酬”で相続税の申告を受けているか確認する
適正な報酬であることは税理士を選ぶ上で非常に重要なポイントになってきます。
不当に高額な報酬を請求してくる税理士も中には存在しているためです。高額な報酬だから最適な申告をしてくれるとは限らず、相続税申告に不慣れなために高額な報酬を請求する税理士もいます。
よって税理士報酬が適正なものかどうかは最優先事項として確認すべきです。
税理士事務所のホームページで年間の相続税申告実績数を確認する
税理士事務所のホームページを確認すると「相続税の年間申告件数〇〇件!」などと謳っている税理士事務所があります。
相続税の申告件数は年々増えており、国税庁の「令和2年分における相続税の申告事績の概要」によれば、令和2年分の相続税の申告書を提出した件数は12万372件であり、令和2年12月31日時点の税理士登録者数が7万9,293人なので、1人の税理士が相続税の申告を年間で1.5件取り扱っていることが予想できます。
上記基準を把握したうえで、この税理士事務所は年間何件の相続税の申告を行っているのかを調べるのが相続税に強い税理士を選ぶ重要なポイントとなります。
相続税に特化した税理士事務所であることを確認する
税理士事務所によっては、法人税や所得税などの税務業務は一切受けておらず、相続税に特化した税理士法人も一定数存在します。
こういった税理士法人であれば、オールマイティーな税務業務を受けている税理士事務所に比べて、相続税の申告件数を数多く経験しており、相続税の知識が豊富な税理士が多数在籍しているので、相続税に特化した税理士事務所を選ぶ事もおすすめです。
知人からの紹介
一番手っ取り早くおすすめなのが知人からの紹介となります。
実際にその税理士に相続税の申告を既に受けたことのある知人から紹介された税理士である場合には、とても信憑性があります。また、探す手間も省けるため、この方法が一番おすすめな選び方となります。