今後のドル円相場は「米国株」しだい
先週、英国のボリス・ジョンソン元首相は、あるポッドキャストのインタビューで、「われわれはウクライナで代理戦争を戦っている」と述べました。これまで、シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授や、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授がおっしゃっていたことは「不都合な真実」だったということでしょう。
さて、(いつもわからない)ドル円相場は、見通しがさらに難しくなっています。
結局のところ、「今後のドル円相場は、米株しだい」と考えています。たとえば、「米国株式が上昇すれば、ドル円も堅調」であり、「米国株式が下落すれば、ドル円も下落する」といったぐあいです。逆に、「ドル円が下がる(上がる)から、株価も下がる(上がる)」という流れもあり、相互にフィードバックするはずです。
もちろん、上記の流れを「米株堅調→米金利上昇→日米金利差拡大→ドル円上昇」といったふうにロジカルに考えることもできます。
ただ、筆者は、ロジックやファンダメンタルズというよりも、流動性の供給/縮小、利下げ/利上げを背景とする「投機の強弱の力」が金融市場を支配している、そして、その力は日々拡大していると考えています。
いまは、
1.FOMO(fear of missing out;上昇を取り逃がすことを恐れること)、
2.ヘッジファンドなどを含むアクティブ・マネージャー間の競争(⇒「他のマネージャーがテクノロジー株式をオーバーウェイトする以上、自分もそうしないと、自分のファンドのパフォーマンスが劣ってクビになる。テクノロジー株式が沈むなら、誰もが沈むから問題ない」といった感覚)、そして、
3.中銀プット(⇒「いざとなれば、中央銀行が貨幣発行で救済してくれる」という経験)
がリスク資産の買いをつないでいるでしょう。
言い換えれば、「この相場上昇はやや行き過ぎだとはわかっていても、それがいつ終わるかはわからないし、最後の最後までついていくしかない」というのが多くの市場参加者の本音でしょう。ドル円もその渦のなかにいます。