「株式の強気派」の憂鬱…インフレ相場どう向き合う?
結論を言えば、インフレは、少なくともいったん(1-2年程度)は鈍化していくと考えています。しかし、問題は、インフレ鈍化の前に、インフレを鈍化させようとする利上げ、そして市場金利の上昇が続く可能性があるということです。
株式の強気派がいま考えるべきこと
株式の強気派や成長株式を推す人たちにとってみると、インフレは敵であり、インフレの鈍化が必要です。インフレが鈍化するためには、おそらく金利の上昇が必要です。しかし、金利の上昇もまた、株式の強気派や成長株式を推す人たちには敵である、といったふうに「堂々めぐり」になります。
この問題には、明確な解決策があります。それは、今後の「金利上昇」と、それに続く可能性が高い「景気後退」の期間を含めて、資金を投じ続けることです。
いま、株式全般や成長株式を検討している人が考えるべきことは、「どこを見ていますか」「どこを取りに行くのですか」ということでしょう。
「目先は下がるけれども、それは想定している。その後の戻りを取りに行っている」といったふうに、資金を投じる目的を明確にし、それに沿って行動する必要があるでしょう。
わがままな投資家へ
「戻りは取りたいが、目先の下げは嫌だ」というわがままな人向けに「対策」を提案するなら、景気循環にとらわれないアクティブ・ファンドに「逃避」することでしょう。そうすれば、目先の下げを減らし、逆行高を取れる可能性があります。ただし、ゼロサム・ゲームですから、成功するファンドはひと握りです。
アクティブ・ファンドに投資する上では、そのファンドの投資哲学と、いまどんな銘柄をどんな理由で持っているか、ベンチマークとの保有割合の違いを確認されてください。みなさんが日頃、「共感」できる企業の商品を買うように、「共感」できるファンドを持つことが大事です。
投資は、自分の資産が増えたり減ったりするだけに留まらず、社会に影響を与えます。社会に影響を与えてしまう以上、投資家は、「買う企業」と「買わない企業」を積極的に選択することによって、自らの行動に責任を持つ必要があります。
良質なアクティブ・ファンドは、インデックス・ファンドとは異なり、「投資家としてのあるべき姿」になろうとし、その本来の役割を果たそうとする存在です。