「タワマン節税」崩壊へ!富裕層の相続税対策で「評価額70%減」でウハウハも一転…悲惨なシナリオが待ち受けるワケ

「タワマン節税」崩壊へ!富裕層の相続税対策で「評価額70%減」でウハウハも一転…悲惨なシナリオが待ち受けるワケ
(※画像はイメージです/PIXTA)

富裕層の相続税対策として人気があったいわゆる「タワーマンション節税」について、国税庁が、相続税におけるマンションの評価方法の変更に乗り出しました。これは、2022年12月に出された与党の「2023年度税制改正大綱」を受けたものです。本記事では、タワマン節税のしくみと問題点、および検討が始まった評価方法の見直しの方向性について解説します。

タワーマンション節税とは

タワーマンション節税とは、タワーマンションの「高層階」を購入することによって相続税を低く抑えようとすることをいいます。

 

不動産は「土地」と「建物」のいずれも、評価額を低く抑えられるしくみがあります。そのしくみの下では、とりわけ、タワーマンションの高層階を購入する場合に、市場価格と相続税評価額の大きな差が生じることになります。

 

それを利用するのです。

不動産の評価額はなぜ低いのか

そこで、前提として、不動産(土地、建物)の評価額の計算方法について解説します。

 

不動産(土地、建物)の評価額が低く抑えられる理由は、不動産は通常、住む場所、事業を営む場所であり、重い相続税税負担をかけるのは酷だと考えられているからです。

 

相続税、固定資産税それぞれについて、以下の通りです。

 

【相続税】

・土地:路線価

・建物:固定資産税評価額

 

【固定資産税】

・土地:固定資産税評価額

・建物:固定資産税評価額

 

「路線価」は市場価格の80%程度、「固定資産税評価額」は市場価格の70%程度というイメージです。

 

マンションについては、住戸ごとに「建物」と「敷地(底地)」に分解され、それぞれについて評価額が算出されます。特に、底地については後述する「小規模宅地等の特例」の要件をみたすと、評価額がさらに50%または80%差し引かれます。

タワーマンションの評価額が「低すぎる」ワケ

しかも、タワーマンションの高層階の評価額はマンションのなかでもとりわけ低くなります。すなわち、タワーマンションには以下の特徴があります。

 

・土地(底地):1住戸あたりの「底地」の面積が狭い

・建物:高層階ほど「市場価格」と「相続税評価額」の乖離が大きい

 

◆1住戸あたりの「底地」の面積が狭い

まず、底地の面積の評価額です。

 

タワーマンションは高層で住戸数が多いため、1住戸あたりの底地の面積が狭くなっています。

 

すなわち、マンションにおいては、「底地」の評価額は各住戸の床面積に応じて均等に割り当てられます。

 

したがって、住戸数が多いタワーマンションの場合各住戸の「底地」は細分化され、狭くなります。これにより、底地の相続税評価額は著しく低く抑えられます。

 

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