(画像はイメージです/PIXTA)

「遺族年金」。それは、最愛の家族が亡くなった際、遺族へ国から支給される年金です。しかし、遺族年金は家族が亡くなると、必ずしももらえるものではないことをご存じですか?もらえたとしても「生活していくのも難しい」ほどの額かもしれません。実際に待ち受ける厳しい現状をお伝えします。

まだ若い夫が突然、死去

まだ若い夫が急逝──家族が突然亡くなるという、考えてもいない事態は、誰しもが他人ごとではありません。そしてそのような事態となったときに初めて「遺族年金」の存在を知らされる、という方が大半だと思います。

 

家族が亡くなった場合、手続きをすれば当然もらえるものだと思っていたのに、「あなたには遺族年金を支給できません」と役所の人に言われたら、どのような気持ちになるでしょう。一家を支える大黒柱が亡くなり、追い打ちをかけるような事態に落胆するのではないでしょうか。

 

そのような可能性は、実際にゼロではありません。遺族年金は、「要件」を満たしていないと受け取ることができないからです。

家族が急逝、しかし遺族年金受け取り不可もあり得る

家族が亡くなったときに支給される遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。なかでも遺族厚生年金は、生涯受けられる可能性のある遺族年金です。

 

主にフリーランスや自営業の人が亡くなったときには、遺族基礎年金が支給される可能性はありますが、遺族厚生年金は支給されません。日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」には加入していますが、会社などに勤務している人が対象の「厚生年金」には加入していないからです。

 

「遺族基礎年金」の受給要件は、次の4つのいずれかに該当している必要があります。

 

①国民年金加入中に亡くなったとき

②国民年金に加入していた60歳から65歳になるまでの人で、日本国内に住所がある人が亡くなったとき

③老齢基礎年金を受ける資格のある人が亡くなったとき

④老齢基礎年金を受けている人が亡くなったとき

 

これらいずれかの要件を充たしており、かつ「子どものいる配偶者」または「子ども」であれば、遺族基礎年金を受け取ることができるのです。

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