過去には「張り紙」が許された判例も…なにが違った?
実際、東京地裁昭和62年3月13日判決のケースでは、賃料を3ヵ月分滞納し、電話しても応答せず貸室にも不在であった賃借人の居室のドアに、賃貸人が「連絡を請う。」とか「一二月一五日までに退去とのことであったが、未だに立ち退かず返答されたし。」といった内容の張り紙をしたというケースで、裁判所は
と判断しています。
以上を踏まえますと、ドアに張り紙をする場合には
・賃借人の賃料の滞納状況(最低でも2ヶ月以上の滞納は必要)
・賃借人側の連絡への応答状況(電話、訪問によっても応答なし)
・連絡を取るべき緊急性の有無(貸室内に異変が生じている兆候があるか否か)
を確認したうえで、慎重に対応する必要があります。
※この記事は、2019年1月6日時点の情報に基づいて書かれています(2023年2月17日再監修済み)。
北村 亮典
弁護士
大江・田中・大宅法律事務所
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