1. 医療費控除
医療費控除には以下の2種類があり、どちらかを選んで申告します。
・医療費控除(従来型)
・セルフメディケーション税制
◆医療費控除(従来型)
まず、従来型の医療費控除です。以下のいずれか低い額が控除されます。
・医療費-保険金-10万円
・200万円
控除の対象となる医療費は以下の通りです。
・医師等の診療・治療を受けるために支払った費用
・治療や療養に必要な医薬品の購入代金
対象となる費用の範囲はかなり広く、たとえば、医療機関へ行くための交通費等も含まれます。
◆セルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制は、2017年に新しく創設された制度で、ドラッグストアや薬局で購入した所定の医薬品を年間12,000円を超えて購入した場合に、その超過額について所得控除を受けられる制度です。
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品には、パッケージに「セルフメディケーション 税 控除対象」という「共通識別マーク」の表示があります。また、レシートにも「★」等が印字されます。
したがって、ドラッグストアや薬局で購入した際のレシートはめんどうでも捨てずに保管しておくことが大切です。
2. 寄附金控除
◆公益目的が強い寄附をした人のための制度
国、地方公共団体、「特定公益増進法人」等に対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。
政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄付金、公益社団法人等に対する寄附金等については、一定のものについて、所得控除に代えて、税額控除を選択することができます。
◆「ふるさと納税」は無関係…
なお、多くの人が、現在「寄付」「控除」と聞いて真っ先に「ふるさと納税」を思い浮かべることと思います。しかし、「ふるさと納税」の制度は「寄附金控除」とは一切関係ありません。
ふるさと納税は「税額控除」あるいは「税の還付」です。「返礼品」目当てに多くの人が利用しています。しかし、結果的に国に増税の口実を与えかねない、問題の多い制度でもあります。詳しくは「結局みんな損する『ふるさと納税』…節税にならず国民も地方も国も『貧しく』なる残酷な現実」をご覧ください。
3. 雑損控除
「災害」「盗難」「横領」により「生活に通常必要な資産」に損害が生じた場合、所定の額について所得控除を受けられる制度です。
控除額は以下のいずれか多い額です。
・(損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-総所得金額等×10%
・(災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円
「災害関連支出」は、損害を回復するのにかかった金額のことです。
4. 小規模企業共済等掛金控除(サラリーマンは年末調整)
小規模企業共済等掛金控除の対象となる「掛金」は以下の通りです。全額が所得控除の対象となります。