企業型DCとはどんな制度か
企業型DCは、企業の福利厚生の一環として、企業が従業員等のために掛金を毎月支払い、個人がみずから年金資金の運用を行う制度です。
社長1人だけの「1人法人」でも、厚生年金に加入していれば、導入することができます。
◆運用のしくみ
運営管理は「運営管理機関」、運用は「資産管理機関」が行います。これらはいずれも金融機関です。
個人は、「運営管理機関」が提示する運用商品のなかから好きなものを選択し、運用を指示します。そして、その指示に基づき、「資産管理機関」が個人別の資産の管理、運用商品の売買、給付金の支払い等を行います。
運用期間は60歳~70歳で、会社によって異なります。運用実績に応じて年金資産の額が決まり、それを原資として年金を受け取ることになります。
◆掛金の額
掛金の額は会社が役位等に応じて定めることができます。会社が拠出した掛金は会社の経費(損金)として扱われます。ただし、掛金の上限額は以下の通りです。
・他の企業年金がある場合:月2.75万円
・他の企業年金がない場合:月5.5万円
また、企業型DCには「マッチング拠出」という制度があります。これは、事業主が拠出する掛金にプラスして個人も掛金を拠出できる制度です。
◆年金の受け取り方法
受け取り方法は、年金として受け取るほか、「一時金」で受け取ることもできます。
「年金」で受け取る場合、「確定年金」「終身年金」「分割取崩年金」の3種類から選べます。それぞれ、以下の通りです。
1. 確定年金:一定の期間で一定の金額を受け取る(5・10・15・20年から選択)
2. 終身年金:一生涯にわたり一定の金額を受け取る(保証期間は5・10・15・20年から選択)
3. 分割取崩年金:一定の期間で運用を継続しながら積立金を取り崩して受け取る(5・10・15・20年から選択)
「確定年金」と「終身年金」は、年金額を確定させたうえで受け取ることになります。これに対し、「分割取崩年金」は運用実績により受取額が変動します。
また、「終身年金」の「保証期間」とは、生死にかかわらず年金を受け取れる期間です。もしその保証期間内に亡くなったら、保証期間中の年金を遺族が受け取ることができます。