(※写真はイメージです/PIXTA)

組織のなかで働くにあたって、自分のダメな部分を周りと比べてしまい、自信が持てないという人も少なくありません。そのような部下がチームにいる場合、上司としてどのような言葉をかけるべきなのでしょうか。大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタントである中田仁之氏が事例を交えて解説します。

同期に劣等感を感じる20代女性Qさんのケース

Qさんという20代の女性の話です。Qさんは同期と比べて自分は仕事ができないと感じています。理由を尋ねると、「Wさんはテキパキしているのに自分は…」「Yさんはいつも遅くまで残って頑張ってるのに自分は…」など、他人との比較によって自分の足りないところを探しては自信を失っていました。

 

彼女の上司である課長と何度か面談し「Qさんのマイナスワードを見つけて、それをプラスワードに変換して伝えてみては?」と提案しました。

 

すると2日後に、課長がQさんを呼び、『Qさんがすごく頑張っているのは俺は分かってるけど、周りと比べて自分の力を100%発揮できていないように見える。Qさんが心の中で「〜のに自分は」って思ったら、それを「スゴイね!」に変換し、相手に伝えてごらん』と提案したそうです。

 

Wさんにはテキパキしていてスゴイね、Yさんにはいつも遅くまで頑張ってスゴイね、とQさんは実際に伝えました。その後、課長がQさんにその時のやり取りを聞くと、伝えた2人ともが揃って「Qさんは本当に素直にどんな仕事でも前向きに取り組んでスゴイね」と言われたそうです。

 

「自分では全くそんな風に思っていなかったのに周りからはそう思ってもらっていることを知り、少し自信を持てるようになりました」と課長にお礼を言ったそうです。

 

まだまだQさんの理想には遠いようですが、少なくとも自分で自分を追いつめて自信を失っていた彼女が、しなやかさという武器に気づいて自分で自分を元気にする方法を身につけました。

 

自分の中で他人と比較して「〜のに自分は」「どうせ自分なんて」と自分に言うのではなく、その相手に素直な心で「すごいね」って伝えることで、あなたの長所を教えてもらえるのです。

 

リーダーとしても、部下を比較してジャッジするのではなく、一人ひとりの良い点を素直にすごいねって伝えることが大事です。そう伝えられた部下はきっと喜び、自信をつけるばかりでなく、あなたへの信頼も増すことになるでしょう。

 

 

中田 仁之

株式会社S.K.Y.代表取締役

中小企業診断士

 

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※本連載は中田仁之氏の著書『困った部下が最強の戦力に化ける すごい共感マネジメント』(ユサブル)より一部を抜粋し、再構成したものです。

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

中田 仁之

株式会社ユサブル

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