3. 産業の動向
コロナ後3年の中国経済を産業別に見ると、[1]COVID-19の影響が大きかった産業、[2]COVID-19の影響が小さかった産業、[3]COVID-19とは別の要因で成長の勢いが鈍化した産業の大きく3つに分かれた(図表-6)。
COVID-19の影響が大きかった産業としては、「交通・運輸・倉庫・郵便業」、「卸小売業」、「宿泊飲食業」、「製造業」の4産業が挙げられる。「交通・運輸・倉庫・郵便業」、「卸小売業」、「宿泊飲食業」の3産業はCOVID-19に伴って実施された厳格な行動制限で人流が減少したことを背景に、第1波が襲来した2020年には大きく落ち込み、それが沈静化した2021年は急回復し、第2波が襲来した2022年には再び大きく落ち込むこととなった。
「製造業」も工場の操業に支障が生じ、他の3産業と同様に2020年に落ち込み、2021年に急回復し、2022年に再び落ち込んだ。但し、コロナ後3年は前述したように輸出が好調だったことから、他の3産業よりも軽微な影響にとどまった。
COVID-19の影響が小さかった産業としては、「第1次産業」と「金融業」の2産業が挙げられる。「第1次産業」に対するCOVID-19の影響は限定的で、コロナ後の3年は年平均+4.8%と、コロナ前の3年(同+3.5%)を上回る成長率となった。「金融業」に対するCOVID-19の影響も軽微で、コロナ後3年は年平均+5.2%と、コロナ前3年(同+5.4%)と大差ない成長率となった。
COVID-19とは別の要因で成長の勢いが鈍化した産業としては、「不動産業」、「建築業」、「情報通信・ソフトウェア・IT」の3産業が挙げられる。「不動産業」と「建築業」はともにコロナ禍が襲来する前からGDP全体の成長率を下回る不振な産業だった。そして「不動産業」は2020年・2021年ともにGDP全体の成長率を下回り、2022年には不動産規制強化を背景に前年比5.1%減と大きく落ち込んだ。
一方、「建築業」は中国政府が景気対策としてインフラ投資を増やしたため、2020年は前年比2.7%増と低位ながらもGDP全体の成長率を上回り、不動産業がマイナス成長に落ち込んだ2022年も同5.5%増とGDP全体の成長率を上回ることとなった。また「情報通信・ソフトウェア・IT」は、中国政府がIT業界の是正に乗り出したため成長の勢いが鈍化した。但し、勢いが鈍化したとは言え、2022年も前年比9.1%増とGDP全体の成長率を大幅に上回っている。
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