1. ここ数年の中国経済
中国の経済成長率は2022年、実質で前年比3.0%増と、前年(同8.4%増)を大幅に下回り、政府目標「5.5%前後」は未達となった。なお、国内総生産(GDP)は約121兆元と、日本円に換算すれば2.3兆円余りで、日本の約4倍に達した模様である。
ここ10年ほどの中国経済を振り返ると(図表-1)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が襲来する前から減速傾向にあり、2019年の成長率は6%まで低下していた。習近平国家主席が2014年末に、これからは高度成長期を終えて中高速成長期に入るとして「新常態」を宣言し、「量より質」を重視して過度に高い成長を目指さなくなったからだ。その後はCOVID-19に翻弄される3年間となった。2020年には第1波が襲来して経済は失速した。
中国政府が景気対策で支えたにもかかわらず前年比2.2%増にとどまった。2021年は第1波が一旦沈静化していたため経済はV字回復し、財政政策では持続可能性を高め、金融政策を引き締め気味に調整したにもかかわらず、同8.4%増の高成長となった。そして2022年はCOVID-19の第2波が襲来したため経済は再び失速した。中国政府が景気対策で支えたためプラス成長を確保したものの、前述のとおり政府目標「5.5%前後」を下回る結果となった。
コロナ後の3年間を均して見ると実質成長率は年平均+4.5%で、5%前後と見られる潜在成長率を下回った。そして多くの工業企業の設備稼働率が正常とされるレベルを下回り(図表-2)、失業率もコロナ前のレベル(5.2%)まで回復していない(図表-3)。
他方、インフレの状況を見ると、工業生産者出荷価格(PPI)は前年比4.1%上昇した。原油高を背景に採掘品が同16.5%上昇し、原材料も同10.3%上昇と高騰した。但し、加工品は同1.5%上昇とそれほど値上がりせず、消費財も同1.5%上昇と小幅な上昇にとどまった。これを受けて消費者物価(CPI)は同2.0%上昇と、中国政府の抑制目標「3.0%前後」を下回った。輸送用燃料は同20.9%上昇と高騰したものの、その他のモノはあまり値上がりせず、COVID-19の第2波で消費意欲が減退していたこともあって、サービス価格が同0.8%上昇と低い上昇率にとどまった。
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