2. 需要の趨勢
コロナ後3年の需要動向を振り返ると、最終消費にはCOVID-19が大きく影響した。実質成長率への寄与度を見ると(図表-4)、第1波が襲来した2020年は▲0.2ポイントと落ち込み、それが沈静化した2021年には+5.3ポイントと急回復し、第2波が襲来した2022年には+1.0ポイントと低い寄与度にとどまった。
一人当たり消費支出の内訳を見ると(図表-5)、コロナ後の3年間は食品や住居費など生活に欠かせない支出は増勢を保ったものの、必需品以外(衣料品、交通通信、教育文化娯楽など)は2020年に落ち込み、2021年には急回復、2022年には再び落ち込んだ。したがって2023年は、2022年に落ち込んだ必需品以外の反動増が期待できそうだ。但し、ウィズコロナ政策に舵を切った中国では現在、感染爆発が起きており死亡者も少なくない。この難局を政情不安なしに乗り越えることがその前提条件となる。
総資本形成(≒投資)に対するCOVID-19の影響は限定的だった。実質成長率への寄与度を見ると(図表-4)、2020年は+1.8ポイント、2021年は+1.1ポイント、2022年は+1.5ポイントと低位ながらも安定していた。
固定資産投資の内訳を見ると、製造業は、2020年に前年比2.2%減と落ち込み、2021年には同13.5%増と急回復するなどCOVID-19の影響があった。しかし、第2波が襲来した2022年には輸出の好調を背景に同9.1%増とそれほど落ち込まなかった。不動産開発投資は、2020年は前年比7.0%増、2021年は同4.4%増とプラス成長を維持したものの、2022年には不動産規制強化を背景に前年比10.0%減と大きく落ち込むこととなった。
インフラ投資は、2020年は前年比0.9%増、2021年は同0.4%増と停滞したが、2022年には景気対策で同9.4%増と急回復した。そして投資全体では輸出好調や景気対策を背景に安定した推移となった。なお、投資主体別に見ると、コロナ後の3年間は国有・国有持ち株企業が年平均+6.1%と高水準だった一方、民間企業は同+3.0%と低水準だった。ウィズコロナ政策に舵を切ったことや、共産党大会を終えて将来が展望しやすくなったことで、民間企業は新規投資を増やし始めるのか注目される。
一方、純輸出にはCOVID-19が追い風となった。2020年は+0.6ポイント、2021年は+1.7ポイント、2022年は+0.5ポイントと、3年連続のプラス寄与となった(図表-4)。2020年と2021年は他国に先駆けて生産体制を正常化したことが、2022年は内需が低迷し輸入が少なかったことが、それぞれプラスに寄与した。したがって、中国がウィズコロナ政策に舵を切った2023年は、国内需要が持ち直す局面に入り、海外需要はピークアウトしそうなので、反動減となる可能性がある。なお、海外への団体旅行が解禁され旅行収支が悪化しそうなことも純輸出にはマイナス要因である。
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