(※写真はイメージです/PIXTA)

最終模試ではA判定だった子が不合格になったり、逆にE判定だった子が逆転合格したりと、番狂わせも珍しくない医学部受験。受験直前に学力が落ちる子、学力がグンと伸びる子の間には、どのような差があるのでしょうか? 医学部専門予備校「京都医塾」の著書『偏差値40からの医学部逆転合格』(ラーニングス株式会社)より一部を抜粋し、直前期~入試シーズンの過ごし方について解説します。

 

入試前日も当日も、合格するまで「毎日」勉強を続ける

(※写真はイメージです/PIXTA)
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狭き門である医学部入試において、合格のために必要な学習量は膨大で、高卒生であっても時間が足りないというのが現状ではないでしょうか? 受験生は皆、限られた時間の中で合格するための学力レベルに到達するまで、全力で勉強を頑張っておられると思います。

 

この見出しのタイトル「毎日勉強を続ける」を読んで、そんなことは当たり前にやっているよと心の中で思っている受験生も多いと思います。しかしながら、本当にこれを実行できているのでしょうか。

 

医学部の一般入試は国公立大学志望であれば1月中旬の「共通テスト」から始まります。私立大学専願の方も、共通テストが終了して数日後から、各大学の一般入試が開始、いわゆる入試シーズンがスタートします。この入試シーズンにおいて、これまでと同じ強度で、地に足をつけた学習を継続できているでしょうか?

 

この時期、現役生は学校の授業がなくなり、また一般的な塾・予備校では、通常授業が終了し、そこからは数回の直前講習のみに変わるところも多く、それまでの学習環境、生活リズムが崩れがちです。受験生にとってその状態は、精神面でも生活面でも不安定になりがちで、その結果、落ち着いて学習ができない状態に陥る受験生が増えます。

 

ただただ受験校の過去問を解いて採点し、その結果に一喜一憂したり、せいぜい間違えた箇所の知識のみを確認する勉強スタイルになってしまったりと、これでは「毎日勉強を続けている」とは言えず、この大切な時期に最後の一伸びをするどころか、大きく力を下げてしまうことになるのです。

 

また、私立大学医学部を受験される方は、複数の大学に出願される方がほとんどです。一般入試の前期試験は特に、1月中旬から2月上旬まで、毎日のように試験が実施されており、受験生はホテルなどに宿泊しながら各大学の入試に臨む生活になります。「毎日勉強を続ける」というのは、入試シーズンが始まった後、日々試験に行くだけではなく、合格するまで今まで通りの勉強を普段通り淡々と続けるという意味です。それは、入試前日も、1つの大学の入試が終わって宿舎に帰ってきてからも同じです。

 

だから、「入試前日も、入試当日も、合格通知を手にするその日まで、毎日勉強を続ける」ことが大事なのです。

 

ある大学の試験は、次に受ける大学の試験に向けての最適なプレテストと言えます。この入試シーズン、受験生の学力がピークを迎えた状態で、解けなかった問題、抜け落ちていた重要事項、おかしてしまったケアレスミスなど、次の大学の試験にいかせる好材料がたくさんあります。ホテルなどでも学習を継続できる環境を整え、実際の入試問題を必ず復習して、あらかじめスケジューリングしたカリキュラム通りに一日一日を淡々と、そして大切に戦い続けてください。

 

国公立大学でも私立大学においてもですが、仮に一般前期試験で合格が出なかったとしても、後期試験がまだあります。

 

後期試験の募集定員は前期試験に比べてぐっと少なく、「後期での合格は無理だろうなあ」とモチベーションが下がる受験生も少なくないと思います。しかし、その時こそ、「後期試験の受験者は、誰しも前期で結果が出ずに、落ち込んでいるはず。気持ちを切り替え、学習を継続したなら、後期試験の入試本番までに、他の受験者に大きなアドバンテージをつけられる!」と奮起してください。

直前期も「高校修了までの基礎学力」を繰り返し確認

一般的には12月くらいから入試スタートまでを直前期と呼びますね。京都医塾の生徒たちにはこの時期にも、さらには入試がスタートしてからも、基本的にはいつもと変わらない一日一日を過ごすように伝えています。

 

多くの塾・予備校では、共通テストが終わったらその時点で授業が減ったり、あるいは、授業がなくなったりしますが、その状態の受験生は、精神面でも生活リズムの面でも不安定になりがちです。ですから、精神的なサポートを含め、【絶対基礎】の定着を最後まで繰り返し行いながら、各大学の入試対策も3月半ばの後期試験終了までしっかり続けます。

 

【絶対基礎】とは、京都医塾オリジナルの言葉で、ひと言でわかりやすく言えば「小学校から高校修了までの範囲の基礎的な学力」のことです。絶対基礎は、医学部合格のために必要不可欠なものであり、どこかに穴を残したままでは、どの医学部にも合格することはできません。

 

私たち京都医塾は、直前期になっても絶対基礎が定着しているか確認し続けます。絶対基礎は医学部合格のために必要不可欠なものです。そして、人の知識は触れ続けなければ抜けていってしまいます。だからこそ、この時期にも、絶対基礎の定着を確認し続けるのです。

 

過去に覚えたはずのことなのに、時間が経つと部分的にしか覚えていないとか、まったく思い出せなくなっているということは皆さんも経験があるかと思います。

 

忘却曲線という、心理学者のヘルマン・エビングハウスが提唱した『再暗記の効率』についてのグラフがあるのをご存知でしょうか【図表】。ここでは、暗記した後に「1時間、1日、1週間…」と時間を空け、もう一度覚え直すのにどれだけ時間が節約できるのかということがグラフに示されています。実際の学習に応用してみると「その日覚えたことをその日のうちに振り返れば、忘れてしまった内容も初めて暗記した時の半分程度の時間で再び覚え直せる」と言い換えられます。

 

【図表】エビングハウスの忘却曲線

 

エビングハウスの実験では、互いに関連を持たない3文字のアルファベットを暗記することが扱われていますから、京都医塾の【知識を関連づけて理解し覚える授業】で得た知識の忘却はもっと緩やかになりますが、「同じ情報を何度も短いインターバルでインプットし続けること」が重要だという事実は変わりません。逆に考えると、初めて勉強した時から何ヵ月も振り返ることをせずに忘れてしまった内容を覚え直そうとすると、一からやり直すのと同じくらいの時間がかかることになります。

 

一度覚えた絶対基礎を入試本番で正確に使うためには、直前まで繰り返し復習し、知識の抜けがないかをしっかり確認しておく必要があるということですね。

 

直前期に、新しい参考書や問題集を購入して取り組んだりするというのも、受験生あるあるだと思います。それが絶対にダメというわけではありませんが、直前期にそのようなことをしても期待するような効果を得ることは難しく、場合によっては、知らない知識(多くは不必要な知識)を見つけてしまって、かえって不安が大きくなってしまうことすらあります。直前期は、絶対基礎の確認と体調管理、メンタルコントロール。この3つを特に大事にしてもらいたいですね。

11月から2月までの「4ヵ月」でねばれるか、諦めるか

(※写真はイメージです/PIXTA)
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ちなみに、京都医塾には【見えない4ヵ月】という言葉があります。

 

この【見えない4ヵ月】というのは、11月から2月までの4ヵ月を指しますが、この期間は共通テストのプレテストなど以外には、全国模試が行われない期間であり、一般的には、全国の受験生の中での自分の位置がどのくらいなのか、合格可能性はどのくらいなのかを客観的に判断するのが難しい期間となります。

 

世の中の多くの受験生にとっては、自分の今の位置を評価する物差しがない状態で、人によっては「もう自分はここから伸びない」「大して変わらないだろう」と諦めてしまう4ヵ月でもあります。

 

しかし、京都医塾では、入試が始まってからもその年の受験がすべて終了するまで授業は続き、生徒の力は最後の最後まで伸び続けます。つまり、この時期までに絶対基礎を固め、かつ、この4ヵ月の勉強の方法を誤らなければ、ここでグンと成績が伸びるのです。

 

医学部に合格したいという気持ちを切らすことなく、合格するまで正しい方法で頑張り続けることが大事です。

 

 

医学部専門予備校 京都医塾

 

「教育は、一人のために生まれる。」を企業理念に、圧倒的合格率で「偏差値40からの医学部受験合格」へ導く医学部専門予備校。京大出身の社員講師を中心に全国に校舎を増やさず、京都にしかない独自の教育サービスを展開。

医学部の受験競争が激化し、合格には偏差値65以上が必要と言われるなか、入塾選抜テストを行わず、偏差値40台から受験勉強をスタートした生徒を毎年合格させている。

 

 

★GGO限定記事>> 偏差値30台から「わずか1年」で医学部合格も。知る人ぞ知る「京都にしかない医学部専門予備校」とは

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    ※本連載は、医学部専門予備校 京都医塾の著書『偏差値40からの医学部逆転合格』(ラーニングス株式会社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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