タイプ別にみる医学部「逆転合格」プラン
前回までは、医学部に合格するために知っておいていただきたいことをお伝えしてきました。本稿では、具体的にどのような対策をしていけば良いのかお伝えしていきたいと思います。
もちろん、まったく同じ状況や学力レベルの生徒はいませんから、一人ひとり最適な対策は異なります。一人ひとりをしっかりと分析したうえで、プランニングをする必要があります。
すべてのパターンを挙げると膨大になるため、本稿には書ききれません。本来ならば、すべての読者の方に、一人ひとり丁寧にアドバイスをしたいのですが、ここではあえて受験生を大きく4つのタイプに分類し、それぞれのタイプの傾向をお伝えすることにします。
あくまで傾向ですから、これを鵜呑みにしすぎないようにご注意ください。
【Aタイプ】中学・高校と学校の成績が良かった生徒
■「学校の成績が良かった生徒」の落とし穴
Aタイプの生徒は、真面目にコツコツ勉強をする習慣を持っていることが多いです。それにも関わらず、医学部受験に対して、十分な成績を収められていない場合は、勉強方法など、何か大きく変えなければならない要素が隠れていることが往々にしてあります。
医学部合格の夢を叶えるためには、それが何なのかをしっかりと分析したうえで、正しいものに変えていかなければなりません。
この点においては、今まで真面目に努力を続けてきた、その結果として学校でも成績は良かったという自負があるだけに、自分の中で培ってきた学習スタイルを変えるということを受け入れるのはつらいことでもあります。
その結果、我流の勉強スタイルへのこだわりを捨てられず、正しい勉強へのシフトがやや遅れる場合があります。
したがって、医学部合格という目的のためには、塾や予備校が提案する新しい方法に変えていくことが正しくて、かつ、必要であるということを、しっかりと生徒に理解してもらうことが重要です。
一方で、勉強の習慣は定着しているため、正しい方法に変えた後は、比較的スムーズに学習が進み、結果も出るタイプです。
■実例:大阪医科薬科大学医学部医学科に進学したAさん
Aさんは、大手予備校などに通いながら、中学・高校を通じて勉強を継続していた真面目な生徒でした。学校の成績、評定平均も非常に良好。しかし模試の成績は伸び悩み、医学部受験にはまったく歯が立たず惨敗。京都医塾での学習をスタートした時の偏差値は40台でした。
京都医塾ではまず、目の前の気になる内容を集中的に行う偏った学習法を、必ず毎日、全教科の勉強をスケジューリングに従ってバランスよく行うスタイルに変更しました。
また、我流の解き方を捨て、すべて基礎に戻って正しい知識、解法の習得し直しから始め、反復を徹底しました。最初は、勉強方法の変更、改革に戸惑う瞬間もありましたが、個人授業×集団授業の授業形態で基礎から難関レベルまで徹底的に特訓したところ、生来の真面目な性格と勉強の習慣があったことも功を奏し、たった1年で偏差値が70近くまで伸び、見事、大阪医科薬科大学・関西医科大学をはじめ、受験した私立大学医学部すべてに合格されました。