(※写真はイメージです/PIXTA)

さらに企業を成長させたい経営者にとって、「銀行融資」は欠かせない選択肢です。事業がうまくいっていないときほど「なんとしても貸してほしい」と思うものですが、銀行が「貸したがらない」お金の使い道も存在します。メガバンクに32年勤務し、独立後は融資・補助金に強い専門家として資金調達支援を行う川居宗則氏が、著書『元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方』(幻冬舎MC)より銀行融資の種類と目的について解説します。

融資は慈善事業ではない…銀行はレバレッジ効果を期待

そもそも銀行はなぜ融資をするのかというと、レバレッジ効果を期待しているからです。レバレッジ効果とは、てこで大きなモノを動かす原理のように、少額の資本投下で何倍もの収益を生み出すことです。自己資金が少なくても、銀行が融資によって支援することで会社が独力ではできなかった投資ができるようになるのです。

 

銀行が1000万円融資し、融資を活用して会社が今までより100万円多く利益を出すことができたとすると、増益分の100万円がレバレッジ効果によるものとなり、利益が増えればそれだけ会社は成長できて、銀行も貸した資金に利息を付けて返してもらうことができます。

 

金利2%で1000万円を融資した場合は、銀行は20万円の利益を得るというのが、融資の仕組みです。

 

銀行は会社の収益力や資産状況、資金繰りなどを見て、その会社がレバレッジ効果を出せるかどうかを判断するのです。高いレバレッジ効果が見込める会社には積極的に融資をしますが、レバレッジ効果が見込めない場合には銀行が貸倒れになるリスクが高まるので融資はできません。

 

融資は銀行の慈善事業ではなく、銀行にも利益が必要だというのは社会的に理屈の通った話だと思いますが、なぜか苦しいのに貸してくれない銀行が悪いと言って責める人がいます。私も銀行員時代に融資を謝絶したり返済の督促をしたりしたことがあるのできっと恨まれていたはずです。

 

しかし、融資はあくまでビジネスであり、銀行には銀行の論理があることを分かってもらえないと良好な関係は築いていけません。

 

 

川居 宗則

中小企業診断士

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

 

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※本連載は、川居宗則氏の著書『元メガバンク支店長だから知っている 銀行融資の引き出し方』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

川居 宗則

幻冬舎メディアコンサルティング

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