水産物需要は急増、一方で…
「中国が開国すると、水産物の需要が急増する一方、同国の原料供給元はこれまでのパンデミックにおける政策の影響により、需要に追いつくことが難しくなる」とハン氏は予測した。
ベトナムの輸出品目のうち、パンガシウスはエビよりも収益性が高いとハン氏は話す。なぜなら、ベトナム企業はこの淡水魚について、中国と既存の貿易関係を持っているからだ。ベトナムのパンガシウスは、政治的対立の中で、ロシアから輸入された淡水魚の不足を補うことができる。
また、中国の消費者は最近、ティラピア(カワスズメ科に分類される魚)よりもパンガシウスなどの淡水魚を多く消費する傾向にあり、ベトナム企業にとっては輸出を拡大するチャンスでもある。
中国以外の水産物輸出、米国・EU諸国は減少
VASEPによると、ベトナムの水産物輸出額は2022年12月に7億8,500万米ドルに達し、2021年の同時期と比較して13%減少した。しかし、年初10ヵ月における連続成長のおかげで、2022年全体の水産物産業は約110億米ドルに達し、2021年と比較して24%近く増加した。
また12月、市場輸出の多くは減少したものの、中国本土と香港への輸出だけは依然として17%増加した。この上昇は、近い将来の市場について楽観的なシグナルを開いている。2022年全体では、中国と香港の市場はベトナムの水産業に18億米ドル以上をもたらし、2021年と比較して59%増加という結果を生み出した。
ASEAN諸国への輸出は12月も27%のプラス成長を維持し、同諸国における市場は2022年全体でベトナムの水産物に約7億9千万米ドル貢献している。
12月は米国向け輸出が全体の40%と最も落ち込んだ。しかし、2022年の同市場への輸出は依然として21億米ドル以上に達し、2021年と比較して5%増加した。EUへの輸出も12月に32%減少したが、輸出額は13億米ドル近くとなり、2021年比で20%増加した。
世界的な経済不況と高インフレにより、全世界的に水産物消費と輸入の需要は激減している。専門家は、2023年第1四半期の輸出は2022年のような好結果は維持できず、2023年後半に市場が回復する可能性があると予測している。したがって、ベトナムの水産物輸出収入は2023年に100億米ドル以上にやや減少すると予測されている。