経済評論家「非常にポジティブな結果」
パンデミックの窮地を乗り越えるべく経済回復を推し進めるベトナムは、2022年に7,800億米ドルの対外貿易総額記録を打ち立てる見込みだ。
経済評論家は、輸送車両と予備部品、水産物の2つの輸出品目における輸出額が11ヵ月間で100億米ドルを超え、製造用資材の輸入も急増したことから、海外輸出入の展望は非常にポジティブであると述べた。
統計総局によると、11月末までの輸出入総額は6,738億2,000万米ドルで、2021年通年の6,685億4,000万米ドルを上回った。貿易黒字は106億米ドルとなり、前年同期の6億米ドルから減少した。
背景には中国、一部EU諸国の動きも
ベトナム農業農村開発省によると、中国の米の輸入量は年末より少量から多量にシフトしている。また、一部のEU諸国は、ロシア・ウクライナ紛争による小麦の供給減を補うため、米の輸入量を増加させている傾向にあるという。これらの影響により、ベトナムの米の価格は1トンあたり480米ドルに上昇した。同価格はタイの米より13〜28米ドル、インドの穀物より60〜65米ドル高く、今年の輸出増加に大きく貢献している。
また、加工製造業の製品も海外出荷で6~39.9%の成長を遂げ、2022年の輸出を「経済の明るい話題」とする一助となった。
ハノイ国民経済大学のグエン・トゥオン・ラン准教授・博士は、「輸出の伸びは通年のペースに比べ若干鈍化しているものの、2022年の対外貿易総額は約7,800億米ドルの記録を達成するだろう」と予測している。また、「これはベトナムが2025年までに貿易収入1兆米ドルを達成するための足がかりになる」と付け加えた。
ベトナム青年会議所のトゥアン・アイン理事長は、「海外直接投資は依然として外国貿易の主要な推進力である」とした。一方、「繊維・衣料品や農林水産品は別として、加工品や製造品が依然として主要商品であり、そのうち、木材、木製品、海産物、コーヒー、ゴム、キャッサバ、米、野菜、果物が高い貿易黒字を生み出している」と話した。